調査特集:アフターコロナの消費者

約3万人の消費者調査で、アフターコロナにおいて大きく価値観が変わったとされるのが10~20代のいわゆる「Z世代」だ。彼ら、彼女らの消費行動は具体的にどう変わったのか。Z世代と企業をつなぐビジネスを展開するdot(東京・渋谷)の協力を得て、Z世代座談会を実施した。

dotの協力を得てZ世代の座談会を行った。参加者は写真最上段の右端(オイスター)、2段目左から3番目(くまくま)、3段目左から2番目(おじぇー)、最下段右端(たけちゃん)の4人
dotの協力を得てZ世代の座談会を行った。参加者は写真最上段の右端(オイスター)、2段目左から3番目(くまくま)、3段目左から2番目(おじぇー)、最下段右端(たけちゃん)の4人

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 1996~2010年ごろに生まれた「Z世代」は、多様な価値観を持ち、許容するといわれている。彼らは新型コロナウイルス感染症の流行拡大で、緊急事態宣言による春休みの延長、オンライン授業への移行などを経験した。コロナ禍で彼ら、彼女らの価値観や消費行動は具体的にどう変わったのか。座談会で尋ねると3つの変化が浮かび上がった。その変化とは、(1)モノではなくサブスクサービスにお金を使うことに抵抗感が薄れた、(2)量より質へのシフトが鮮明、(3)旅行やリアルなイベントへの欲求は最大限まで膨らんでいる、ということだ。

【Z世代座談会】のまとめ!
(1)モノではなくサブスクサービスにお金を使うことに抵抗感が薄れた
・動画サブスクサービスを契約、家族プランで契約する人も
・スキルアップにお金を使いたい
(2)量より質へのシフトが鮮明
・洋服や食事など、以前より“質”を重視。単価は上昇
・ファストフードやコンビニへ行く頻度が減った
(3)旅行やリアルなイベントへの欲求は最大限まで膨らんでいる
・収束すれば旅行、留学に行きたい
・オンラインでの交流が広がった。リアルで会いたい
出席者
コロナ禍で価値観が変わったZ世代 「量より質」への動き鮮明(画像)
おじぇー(大学2年生)
dotではデザイン部に所属

コロナ禍で価値観が変わったZ世代 「量より質」への動き鮮明(画像)
くまくま(大学1年生)
dotではメディア部に所属

コロナ禍で価値観が変わったZ世代 「量より質」への動き鮮明(画像)
オイスター(高校2年生)
dotではイノベーション部に所属

コロナ禍で価値観が変わったZ世代 「量より質」への動き鮮明(画像)
たけちゃん(大学4年生)
dotでインターン中。メディア部所属


モデレーター(dotメンバー)
トミー(社会人3年目)
いとけん

スタッフ(dotメンバー)
にも
ゆーりまる
えっちょ
【特集】調査特集:アフターコロナの消費者

Z世代がコロナ禍で「購入したもの」とは

トミー まず、コロナ禍で購入した商品やサービスを教えて。コロナが流行していなかったら買っていなかったものなどを教えてください。私は油絵セットを買って絵を描いていました。

オイスター ありがちだけど、動画配信サービス「Amazon Prime」とゲームですね。これまで有料ゲームは、体験版など無料で遊びつくしてから購入を考える程度でしたが、500円以内であればすぐに買ってしまうようになりました。ソフトウエアのような形の残らないものにお金を出す抵抗が減った気がします。

 反対に音楽配信サービス「Amazon Music」は、コロナ禍で解約しました。家にいるので音楽を聴きたいとき「YouTube」でミュージックビデオを視聴すればいいなと思うようになりました。登校が解禁されて再契約しました。

くまくま 私も動画配信サービス「Netflix」を始めました。周りも見ているし、自分も見てみたいなと思って。コロナ禍の中、この4月に大学生になり、アルバイトも春の時点ではできなかった。お小遣いが減ったので、ショッピングへ行っても雑貨は買わなくなりました。動画のサブスクは“お得感”があるので利用しています。

 友人に会えないので、「LINEギフト」を使うようになりました。住所が分からなくても送れるのが便利です。

おじぇー 私もNetflixと、ニュースアプリ「NewsPicks」に課金し始めました。これまでアニメなど見ませんでしたが、コロナ禍で暇すぎてアニメも見るようになりました。NewsPicksは、外出が減り情報を得る機会が減ったように感じていて、自分から何か情報を探しに行く場所として課金しました。もともと何でも知りたがる“なんでなんで星人”なのも影響していると思います。

 あとは1つのことにお金をかけるようになりました。洋服や食事など、以前より“質”を重視するようになりました。

たけちゃん 僕は洋服が一番変わりました。今までは平日は大学へ、土日も友人と遊ぶといったことが普通の生活でした。なので洋服を買うときは量重視。着回せるかとか、ちょっと安くても毎日違う服を着ているといったことが重要だったように思います。コロナ禍で人に会うということが大きなイベントになり、今まで小刻みに洋服を買っていましたが、購入頻度を下げ、ちょっといい服を買うようになりました。

 オイスターも言っていましたが、緊急事態宣言中は音楽配信サービス「Spotify」を解約していました。

クロストレンド・はなざわ 情報源などに変化はありましたか? ニュースアプリの話もありましたが。

おじぇー コロナ前は学校で友人と見たニュースについて話していましたが、その機会がなくなりました。ニュースアプリでは、コメントをよく見ています。さまざまな人の意見やニュースの要約を見ることで、自分の疑問が解消されたり、自分にはなかった考え方を知ることができたり。“知識欲”みたいなものが満たされている感じがします。

 あと「Instagram」を前より見るようになりました。友人と遊ぶことがレアになり、その時間を有意義に使いたいと思っています。目的を持って行動するようになったので、事前にインスタで食べたいもの、お店まで決めることが増えました。

くまくま 私もSNSに触れている時間は増えたかも。

トミー コロナ前のZ世代の特徴として、何か調べたり計画を立てたりすることが好きな人は少なかったんですが、コロナが流行してみんなの意見を聞くと、きちんと準備するようになったという意見が多くなりました。

クロストレンド・まつの サブスクの動画や音声のサービスは、自分で契約されてますか? 私は家族プランなどを使って、Netflixは妹、Spotifyは私が契約しています。

たけちゃん 僕が「DAZN」、姉がAmazon Primeを契約しています。Spotifyは自分で契約し、自分のみで使っています。

おじぇー 私は姉と2人暮らしで、Netflixを一緒に契約しています。Amazon Musicは1人で使うので、自分のお小遣いから支払いをしています。

オイスター 僕はまだ高校生なので、サブスクサービスなどは両親が払っています。コロナ期間中に、あるタレントのファンクラブに入りましたがその費用はお小遣いから引かれています(笑)。ファンクラブだとオンラインライブを見ることができ、他のプレミアム動画なども見られることから3カ月でVIP会員になりました。応援料といった感じです。

クロストレンド・おおやま サブスクの話が出ましたが、洋服や旅行といったほかのサブスクサービスは利用しませんか?

たけちゃん 洋服のサブスクはあまり引かれないですね。魅力を感じないというか。なんでだろう。

おじぇー お花のサブスクや、香水のサブスクなどもありますね。さまざまなものを試せて、自分のところに届くというのは確かに便利で楽ですが、毎月試すという義務が生まれ“特別感”がなくなってしまう気がしています。洋服が届き、それを見る楽しみはあるのかもしれないけど、そこに特別感はなくて消費しなきゃと思ってしまうかも。

 動画などのサブスクは、食べ放題、バイキングみたいなイメージ。1回固定費として払えば、どれだけ見るかは自分次第なので。

くまくま 私も洋服好きだし、個性を出したいなという思いがあります。友人に服を褒められれば、またそれを着たいなと思うので、そういう意味では(レンタルではなく)所有したいなと思います。

たけちゃん サブスクは「量」が欲しい場合。音楽や動画は量が欲しくて、しかもその量をこなすことでセンスが磨かれていくと思いますが、洋服は量があってもセンスが磨かれるものではない。インスタなどで量を見るので済んじゃう気がします。

座談会の様子をまとめた動画(6分44秒)。4人のZ世代がコロナ禍での消費や価値観の変化について話し合った

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