AIはマーケティングをどのように進化させ、どのようなステップで変革をもたらすのだろうか。そもそものDXの定義を確認した前々回DXの手順を整理した前回に続き、今回は、AIトランスフォーメーション(AIX)の進化を段階的に把握するためのフレームワークを、AI開発とビジネスコンサルティングの専門家集団Laboro.AIが解説する。

前回(第5回)はこちら

 マーケティング分野におけるAI活用例は、こちらの別記事(マーケティングDXってどうやるの? 悩めるマーケターへのAI入門)でもお伝えの通り、マーケティングミックスの様々な領域で誕生している。

マーケティングミックスごとのAI活用例(Laboro.AI作成)
マーケティングミックスごとのAI活用例(Laboro.AI作成)

 しかし実際のところ、これらはいずれもマーケティング施策の一部分に対して、分断的にAIを活用することにとどまっている。前々回に確認した通り、トランスフォーメーションには、一部の業務変革だけでなく、企業のビジネスモデル全体、引いては社会を変革させることが伴うはずで、これら単体を取り出して「DXだ!」と胸を張るには気が引けてくる。

 「AI導入=DX」のように手段が目的化しないために重要なことは、今推進している、もしくはこれから推進するAI活用策が、企業変革あるいは社会変革の最終ビジョンに対して、どの程度のレベル感の施策なのかを把握できるようになることだろう。

 今回は、このレベル感把握のためのフレームワークをご紹介していこうと思うが、話を分かりやすくするため、いったんAIとマーケティングは横に置いておいて話を進めていきたい。

「製品アーキテクチャー」からヒントを得る

 そのベースになるものとしてまずご紹介したいのが、「製品アーキテクチャー」という理論だ。製品アーキテクチャーは、ペンシルベニア大学ウォートン校のカール・ウルリッヒ教授が提唱し、国内では東京大学の藤本隆宏教授が広めたコンセプトで、1995年に提唱されて以来、製品開発から経営戦略に至るまで広く適用されている。実際にはかなり詳細な説明が必要な理論だが、この場では分かりやすさを優先して、かなりの飛躍を覚悟してシンプルにお伝えしていきたい。

 製品アーキテクチャーでは、一つの製品を「設計(アーキテクチャー)」の視点から捉える。例えばクルマという製品を考えた場合、私たちはタイヤが4つ付いたあの鉄のカタマリを見て「クルマだ」と判断する。だが、実際のところクルマという製品には多くの要素が含まれている。

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