
ヤフーの傘下に入ったZOZOが、衣料ブランドと協力し、100万件以上の体形データに基づいて、ZOZOTOWNで取り扱う商品のマルチサイズ対応に注力。さらに米エール大とユーザーのLTV(顧客生涯価値)向上のための共同研究も推進するなど、UXの改善に取り組んでいる。
ユーザーの行為や状態のデータを収集し、それをUX(サービスや使い勝手)の改善に生かす──。アフターデジタル時代に生き残るため、こうした努力を重ねている企業の1つが、アパレルEC大手「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するZOZOだ。同社が最近、力を入れているのが、2019年秋冬商戦の商品を対象に19年8月に始めた「MSP(マルチサイズプラットフォーム)事業」だ。
従来からあるアパレルECの弱点の1つは、「試着ができない」ことだった。これまで多くの衣料ブランドは、提供する多くの商品でSS、S、M、L、XL程度しかサイズを用意しておらず、特にジャストフィットした服を好むユーザーにとって、ECで購入する服のサイズが実際に自分に合うかどうかは大きな悩みだったといってよい。
これに対して、ZOZOが注力するMSP事業は、ユーザーの体形に応じて1アイテム当たり20~50のマルチサイズを用意。しかも、ユーザーがZOZOTOWNのサイトやアプリから自分の身長と体重を入力するだけで、最適なサイズをレコメンドする。通常の人に比べて手が長い、太ももが太いといった特徴のある体形のユーザーは、ZOZOがレコメンドしてきたサイズに対して、サイトやアプリ上で自分なりに微調整を加えることもできる。
このコンテンツ・機能は有料会員限定です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー