
あらゆる産業分野にトレンドカラーの提案を行い、商品開発の指針を与えることでカラーデザインの向上と豊かな色彩生活を提案する日本流行色協会(JAFCA)。同協会が“ニューノーマル(新常態)”の生活に求められる色として示すのが「ニューニュートラルカラー」だ。
JAFCAは17カ国の色彩関連団体が参加し、グローバルなカラートレンドの方向性を検討するインターカラー(国際流行色委員会:本部パリ)の発起団体の一つでもある。そのインターカラーでは2017~18年ごろから、無彩色の白・グレー・黒など季節やシーンに左右されない「ニュートラルカラー」に代わる、新しいニュートラルカラーとして、適度な彩りがある「ニューニュートラルカラー」を提案。各国の協会は、それぞれの国内用にアレンジして提案している。
JAFCAの大澤かほるジェネラルマネージャーはニューニュートラルカラー提案の背景にあったのは、近年、世界規模で進む地球環境の持続可能性(サステナビリティー)への取り組みだと言う。
【第2回】 コクヨ「スモーキーカラー」でミレニアル・ゼニアル世代を攻略
【第3回】 通販大手フェリシモの「推し色」戦略 オタ活から新ブランドが
【第4回】 プリンスホテルPB伸長の秘密は“浅葱色” 美意識高い女性が支持
【第5回】 チキンやカルパッチョにも使える透明しょうゆが40万本のヒット
※第5回までのパワポまとめ 「5分で分かる共感する色、売れる色」
>>続きはこちらから
「企業などが取り組みを進めると、私たちのライフスタイルも変化していく。そうした変化を目の当たりにしても、気持ちを和ませるカラーとは何か。インターカラーでの議論を経て、日本流行色協会が定義したのがニューニュートラルカラーの色域と考え方。新型コロナ禍でストレス過多のニューノーマルな生活をするうえでも、清潔感を保ちつつ、ささくれ立つ気持ちを穏やかにする力のある色調だ」(大澤氏)
心身をニュートラルに戻す色
ニューニュートラルカラーの選定作業は、まず人類を取り巻く環境と、そこで人類が行ってきたことを書き出すところから始めたという。
それを要約すると以下のようになる。
- そもそも人類は、宇宙の中の地球、地球の中の自然に生かされている多様な生命の1種類にすぎない。
- ところが、いつの間にか人類は、宇宙から遺伝子に対してまで影響力を持つようになった。
- 経済効率を優先した結果、地球の多様性は失われ、生態系が壊れ、空と海が汚れ、人類は生存の危機を迎えた。
それらの結果が、今回の新型コロナウイルス感染症などが広がりやすい環境を生み出したともいえるという。
「そうした環境にいる私たちが求める色とは、はるか遠い時代から私たちの遺伝子に刷り込まれている、自然の中にあった色。一言で言えば、心身をニュートラルな状態に戻してくれる色」(大澤氏)
このコンテンツ・機能は有料会員限定です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー