共感する色、売れる色

プラス(東京・港)は、1980年代に一世を風靡したコンパクトなステーショナリーセット「チームデミ」を現代風にリデザインし、2020年9月10日に発売した。デザインカンパニーを目指す同社の象徴的な商品を、35年もの年月を経て、なぜ、どのように復活させたのか。

プラスのチームデミ。カラーバリエーションは、しろ・さくら・こん・ねずの4色。メーカー希望小売価格は6000円(税別)
プラスのチームデミ。カラーバリエーションは、しろ・さくら・こん・ねずの4色。メーカー希望小売価格は6000円(税別)

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 1984年に発売されたオリジナルのチームデミは、「持っているだけで楽しくなる」をコンセプトに誕生し、累計約650万個を売り上げた大ヒット商品。はさみやのりなど文具7点をコンパクトなサイズにし、手のひらに載る大きさのケースに収めたミニステーショナリーキットだ。この大ヒット商品をデザイナーの深澤直人氏がリデザイン。現代の商品に生まれ変わった。本体カラーは、しろ・さくら・こん・ねずの全4色だ。

ミニサイズの文具を手のひらに載る大きさのケースに収めたステーショナリーキット。ケースはマグネットを内蔵し、それぞれの文具はケースにカチッと吸い付くように収まる
ミニサイズの文具を手のひらに載る大きさのケースに収めたステーショナリーキット。ケースはマグネットを内蔵し、それぞれの文具はケースにカチッと吸い付くように収まる
切る、貼る、測るなど、日常必要な文具が一通りそろっている。ケースの上と下もマグネットで吸着し、ヒンジのように開くことも、完全に分離することもできる
切る、貼る、測るなど、日常必要な文具が一通りそろっている。ケースの上と下もマグネットで吸着し、ヒンジのように開くことも、完全に分離することもできる

 それにしても、なぜ今チームデミなのだろうか。「前社長の強い思いからスタートした」とプラス製品クリエイティブ本部の久保田創氏は言う。前社長とは2019年9月に逝去した今泉公二氏のことだ。

 新しいチームデミの開発についての構想は、18年9月ごろに始まった。翌19年、プラスは、企業価値の軸にデザインを置いたデザインカンパニーを目標とし、PDX(PLUS DESIGN X)を標榜したブランディングを開始する。長年にわたりプラスのデザインをけん引してきた公二氏が構想したものだ。新しいチームデミはこのシンボルとなる製品といえる。PDXが目指すところは「POP、CHIC、SIMPLE」。チームデミはそのお手本であり、また、公二氏が1984年当時のチームデミの企画開発を指揮していたことも影響している。

1984年に発売された初代の「チームデミ」は、累計約650万個を販売したスーパーメガヒット製品となり、「1985年日経優秀製品・サービス賞 優秀賞」を受賞
1984年に発売された初代の「チームデミ」は、累計約650万個を販売したスーパーメガヒット製品となり、「1985年日経優秀製品・サービス賞 優秀賞」を受賞
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