移動中や家事中、運動をしている時でも、ゆったりと本を朗読する声が頭に染みわたる――。ビジネス書から文学作品まで、何かをしながらでも“本を耳で読める”オーディオブックがラジオのライバルに成長しつつあり、国内ではベンチャーのaudiobook.jpとAmazonのAudibleがしのぎを削っている。

※日経トレンディ2020年11月号の記事を再構成

国内のオーディオブック配信サービスとして有力な「audiobook.jp」(左)と「Audible」(右)
国内のオーディオブック配信サービスとして有力な「audiobook.jp」(左)と「Audible」(右)

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 日本能率協会総合研究所によると、オーディオブック配信サービスの市場は2024年度に現在の3倍以上となる260億円規模に成長する見込み。19年12月時点でのレポートだが「コロナ禍の影響で自宅で過ごす時間が大幅に増え、勢いがさらに加速している印象」(日本能率協会総合研究所MDB企画開発センターの小松秀平氏)だという。オーディオブックのコンテンツやサービスの数も以前より大幅に増え、コロナ禍をきっかけに「オーディオブック元年」がようやく幕を開けそうだ。

 国内で最も大きなシェアを持つサービスがオトバンクの「audiobook.jp」。現在の会員数は約155万人で22年度内には500万人を目指す。コンテンツ数は現在では非公開だが累計2万7000点以上を配信していると見られる。

 07年からサービスをスタートした老舗でもある同社だが、会員数が爆発的に増加したきっかけが18年に導入した月額750円(税込み)の聴き放題プランだ。一部コンテンツを対象にしたプランで会員の離脱率も大幅に下げることができたという。「夢をかなえるゾウ」(文響社)や「超訳カーネギー人を動かす」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など、ベストセラー作品が続々と対象に加わっている。8月にはラジオNIKKEIの経済番組を配信開始するなど、ラジオ番組のアーカイブやオリジナルPodcastなども聴き放題プランで利用できるようになった。「聴き放題でオーディオコンテンツに触れてもらって、気になった新刊書籍があれば都度購入してみるというようなエントリー層を広げていきたい」(オトバンク社長の久保田裕也氏)。

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