1000万人に迫る勢いのradiko月間利用者、広告媒体としての強みの再構築など、ラジオ業界には今後に期待感を抱かせるトピックが多い。今拡大しているのは放送以外の事業だ。イベントや音声配信サービスで新たな収益モデルを探るラジオ局の次の一手とは。

※日経トレンディ2020年11月号の記事を再構成

ライブイベントに活路を見いだすラジオ局は多い。写真は「J-WAVE LIVE」の様子
ライブイベントに活路を見いだすラジオ局は多い。写真は「J-WAVE LIVE」の様子

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 ラジオ業界は好調だが、とはいえかつての時代に戻るとは言い難い。1991年度に2040億円だったAMラジオの営業収入だが、2020年度の予測はAMラジオを含む中短波で748億円。FMもピークだった2000年度の営業収入に比べ、同40%近い減少を見込む(いずれも日本民間放送連盟の資料から)。

 「ラジオ放送だけで事業を継続することはできない」という現実を受けて、ラジオ各局は放送事業以外の様々な事業に進出してきた。象徴的なのが、音楽やトークとの親和性を生かしたイベント事業だ。これが、単なるファンサービスではなく、れっきとした収益源となる方向へと動いている。

 例えば、有料制で行われた最近の大規模イベントの一つが、TBSラジオが20年2月に行った「RADIO EXPO ~TBSラジオ万博2020~」。会場はパシフィコ横浜で、パーソナリティーによるトークや、アーティストのライブなどを実施した。チケットは2日通し券で税込み9000円(1日券も販売)だったが、計2万1200人が来場したという。

 コロナ禍にいち早く対応したのが、2000年から毎年夏に開催している「J-WAVE LIVE」だ。これまでは、複数のアーティストがライブを行う有料の音楽イベントとして開催してきた。19年は横浜アリーナを会場に3日間にわたって開催し、スガシカオや平井堅、あいみょんなどが登場。チケットは指定席で9800円(税込み)だった。

 会場に観客を入れての開催を断念した20年は、複数の形でコンテンツを発信した。7月24日には、9時間にわたって放送でライブの模様をオンエア。そして放送後にはライブ映像を有料配信。視聴料金は通常3500円(税込み)。例年通り関連グッズも販売し、4500円(税込み)のグッズ付視聴券も設けた。

次の一手その1「ライブ」

コロナ禍で放送×配信に活路

J-WAVE LIVE(J-WAVE)
J-WAVE LIVE(J-WAVE)
コロナ禍を受けて、20年は毎夏開催している「J-WAVE LIVE」をラジオでの放送やオンライン配信する新たな形で開催した。関連グッズも販売
新駅でレストランに挑戦
新駅でレストランに挑戦
山手線の新駅・高輪ゲートウェイ周辺でエンターテインメントレストラン「J-WAVE NIHONMONO LOUNGE」もプロデュース。コロナ禍で延期されたが、7月中旬から約1カ月半開催。食を取り込んだ新たな事業に挑戦した
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