「ジャーパネット、ジャパネット~♪」という聞き覚えのあるジングルで始まる約5分間のコーナー。様々なラジオ局で放送されている「ジャパネットたかた」のラジオショッピングだ。同社のラジオショッピングは、今や全国72のラジオ局で放送するにまで広がった。音声だけのシンプルなメディアでなぜここまで商品が売れるのか。
※日経トレンディ2020年11月号の記事を再構成
ジャパネットはにぎやかなテレビショッピングのイメージが強いが、実は同社の原点はラジオショッピング。創業者の髙田明氏が長崎県でカメラ店を営んでいた頃、地元のラジオ局に出演して2万円のコンパクトカメラをたった5分で50台販売したことがきっかけなのだ。それから今年でちょうど30年。
ジャパネットのMCを務める馬場雄二氏は、ラジオとテレビはそもそもトークのスタイルが全く異なると話す。「テレビスタジオではカメラに向かって商品説明をするが、ラジオはほとんどが生放送でパーソナリティーとかけあいをしながら番組が進行する。“お客様代表”であるパーソナリティーを説得できれば、一緒に聴いているリスナーの多くも説得できると考えている」(馬場氏)。ラジオ局のスタジオに商品サンプルや写真を送り、「パーソナリティーの方に使っていただいた感想を聞き出すのも意外と重要」(MCの林佑美氏)だという。
【第2回】 ライムスター宇多丸の言葉力 ラジオにしかできない映画批評とは
【第3回】 ジャパネットの原点“ジャパラジ”、音だけでモノを売る極意←今回はココ
【第4回】 新たな“鉱脈”を発掘間近!? ラジオ局の稼ぎ方次の一手
セールストークのストーリーは基本的にテレビと同じ。「最も大切なのは『なぜこのタイミングでこの商品の話をするか』。今がシーズンだからとか、悩みを解消できるからとか、この部分を納得させないとまず聴く姿勢を持ってもらえない」(馬場氏)。価格の説明をする前に、商品の利点や特徴を次々に積み上げていき、最後に「こんなにできて何とこの価格!」と高い価値と低い価格のギャップを印象付けるようにするのもテレビと同じだ。
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