※日経トレンディ2020年11月号の記事を再構成

時短・簡便化の流れが加速していた加工食品業界に、新風が吹き始めている。おいしく調理できるのであれば、一手間かけるのをいとわないと考える消費者の需要が、コロナ禍で顕在化したからだ。テレワークが普及し、結果として通勤時間が減り以前より調理にかけられる時間が増えた影響だろう。「一手間かけて完成」する売れ筋はレパートリーの幅を広げるものが目立つ(価格はすべて税込み)。

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 一手間かけておいしくをくみ取る形で2020年後半に人気となりそうなのが、食材に足したり掛けたりするだけで外食のような味に仕立てられる“助っ人”食品だ。コロナ禍で料理を作る頻度が増え、レパートリー不足の主婦は少なくない。毎回手間がかかる手料理は大変、一方で家族を喜ばせたい――。そんな悩みも解消してくれそうだ。

 イチ推しが「いろいろ使える ピリ辛肉そぼろ」(ニチレイフーズ)。麻辣味があらかじめ付いた冷凍の肉そぼろで、野菜などに絡めて調理したり最後に豆腐にちょい載せするといった使い方ができる。いつものひき肉の代わりに使えば、麻辣による“しび辛”味を足したそぼろ料理が簡単にできる便利な冷凍調味料だ。例えばナスや大根、キャベツ、ジャガイモなどに混ぜてフライパンでいためれば、本格的な四川風料理を夕飯の食卓にさっと並べられる。

 日本水産の「おさかなミンチ」も便利な製品だ。こちらは白身魚(スケソウダラ)をひき肉状にしたもので、味付けこそしていないもののカロリーが豚ひき肉の約30%と低い。

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