「東京ゲームショウ 2020 オンライン(TGS2020 ONLINE)」で2020年9月26日、『パズル&ドラゴンズ(パズドラ)』のプロ選手によるトーナメント「パズドラチャンピオンズカップ」が開催された。注目が集まったのは、高校生と中学生という新旧の最年少プロ選手による激戦だ。

 東京ゲームショウ2020オンラインのeスポーツイベント「e-Sports X(イースポーツクロス)」の2つめの企画として配信されたのが「パズドラチャンピオンズカップ TGS2020 ONLINE」だ。この大会は、『パズドラ』のプロライセンス保持者13人によるリーグ戦「パズドラプロリーグ SEASON.2」で勝ち上がった上位入賞者6人と最終選考トーナメント上位2人による、トーナメント大会だ。

優勝したのは新鋭の海斗☆選手を下したあっき〜選手
優勝したのは新鋭の海斗☆選手を下したあっき〜選手

 試合は選手があらかじめ登録した最大4チーム(使用するモンスターの組み合わせ)から1試合ごとにチームを選択する。登録チームはすべて異なるリーダーを選び、4チームで同じモンスターの使用もできない。チーム編成とその出す順番によって、相手との相性が決まり、試合前段階で有利不利が発生する。従って、チーム編成から戦いが始まっていると言える。

 e-Sports Xの配信では、トーナメント1回戦が終わった状態、つまり準決勝からの様子を配信した。初戦を突破したのは、ゆわ選手、海斗☆選手、けーぱ選手、あっき〜選手の4人。

配信前に1回戦が行われており、ベスト4が決定した
配信前に1回戦が行われており、ベスト4が決定した

高校生と中学生のプロ選手が激突

 ここで注目となるのが、セミファイナル1戦目で戦った、ゆわ選手と海斗☆選手。ゆわ選手は昨年の同大会の優勝者で最年少パズドラプロプレイヤーとして活躍してきた選手(関連記事:「パズドラ」最強決定戦 中学生の優勝が1つの波紋を呼んだ【TGS2019】)。現在は高校生だという。方や海斗☆選手は、2020年1月に東京都が開催した「東京eスポーツフェスタ presents パズドラチャレンジカップ2020」で優勝し、プロライセンスを取得したばかりの中学生だ。ゆわ選手よりも年下で、新たな最年少プロとして活躍している。

 この若手2人による対決がパズドラチャンピオンズカップの大舞台で実現したわけだ。勝敗は2セット連取した海斗☆選手が勝利。初参戦にして、決勝戦へとコマを進めた。

最年少プロの海斗☆選手と元最年少プロのゆわ選手によるセミファイナル
最年少プロの海斗☆選手と元最年少プロのゆわ選手によるセミファイナル

 セミファイナル2戦目はあっき〜選手対けーぱ選手の対戦。けーぱ選手は、「パズドラプロリーグ SEASON.2」の優勝者で、今大会でも優勝候補。あっき〜選手も数々のタイトルで優勝した実力者だ。1セット目はあっき〜選手の勝利。2セット目は判定までもちこんだが、コンボ数、属性ダメージともにあっき〜選手がけーぱ選手を上回り、勝利した。

 決勝戦は海斗☆選手対あっき〜選手。どちらも接戦ながら2セット連取で決勝に進出し、流れをつかんでいる印象だ。

2セットとも接戦となったけーぱ選手とあっき〜選手のセミファイナル
2セットとも接戦となったけーぱ選手とあっき〜選手のセミファイナル

 決勝戦の前には3位決定戦が行われた。1セット目ぎりぎりの判定を制したけーぱ選手が勝利。2セット目も終始有利を作ったけーぱ選手に対し、ゆわ選手は、最後の最後でパズルから指が離れるミスをしたことが大きく響き、敗北した。

 決勝戦は海斗☆選手対あっき〜選手。1・2セットともあっき〜選手のスキルがうまくハマり、海斗☆選手がやりたいことをさせない状態を維持。ほぼ完封と言える試合内容で、あっき〜選手が優勝した。

優勝賞金300万円のパネルを手にしたあっき〜選手
優勝賞金300万円のパネルを手にしたあっき〜選手

12月にも選手権を開催

 表彰式のあとに、全国都道府県対抗eスポーツ選手権のパズドラ部門の開催の概要が発表された。全国都道府県対抗eスポーツ選手権は、国体の文化プログラムの種目の1つとして、19年の「いきいき茨城ゆめ国体」から始まった大会。コロナ禍により延期された20年の「燃ゆる感動かごしま国体」では、文化プログラムが中止となったが、全国都道府県対抗eスポーツ選手権は独自イベントとして12月に開催される。

予選から本戦までオンラインで行われる
予選から本戦までオンラインで行われる
9月28日から事前受付が開始。本戦は年末の12月27日だ
9月28日から事前受付が開始。本戦は年末の12月27日だ

 この全国都道府県対抗eスポーツ選手権のパズドラ部門での優勝者はプロライセンスが授与される。『パズドラ』プロライセンス発行は、海斗☆選手が20年1月に東京eスポーツフェスタで獲得して以来出ていないので、久々の発行となる可能性がある。もちろん、現役のプロ選手が優勝してしまうと、発行は見送られてしまう。いずれにせよ、注目の大会になることは間違いないだろう。

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