初のオンライン開催となった「東京ゲームショウ2020 オンライン」(TGS2020 ONLINE)。9月25日の「CAPCOM スペシャルプログラム」では、カプコンが誇る大人気シリーズの最新作『バイオハザード ヴィレッジ』の最新情報を紹介した。
前作と同じ人物を主人公に据えた『バイオハザード ヴィレッジ』
9月25日の夜10時という少し遅めの時間から始まった「CAPCOM スペシャルプログラム」は、司会進行を務める元テレビ東京のアナウンサー、田口尚平氏の挨拶からスタートした。この番組では、21年春から夏にかけて発売が予定されている『バイオハザード ヴィレッジ』『モンスターハンターライズ』『モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~』という3つのタイトルを紹介した。「モンハン」シリーズは別記事とし、この記事では『バイオハザード ヴィレッジ』についてまとめる。
『バイオハザード ヴィレッジ』は、カプコンの看板シリーズの1つ、サバイバルホラー「バイオハザード」シリーズの最新作である。プロデューサーの神田剛氏とピーター・ファビアーノ氏の2人が登場すると、すぐさま同作の最新トレイラー映像が流れた。
トレイラーは、前作『バイオハザード7』の主人公であるイーサン・ウィンターズが妻のミアとともに平穏に暮らしているところを、第1作からの主要キャラクターであるクリス・レッドフィールドが襲撃するところから始まった。舞台は朽ちかけた寒村へと移り、狂信的な表情で笑う老婆や、母親を無視して深い森へと姿を消した少女の物語を描いた絵本、集団行動を取るクリーチャー、集まって手を取り合い祈りを捧げているかのような村人たち、と、意味ありげなシーンが矢継ぎ早に続く。
2人のプロデューサーが解説するところによると、『バイオハザード ヴィレッジ』の舞台は、『バイオハザード7』の数年後。主人公だったイーサンは悪夢のような事件の後に妻のミアとともに平穏に暮らしていたが、それを前作でイーサンをサポートしていたはずのクリスが奪い去る。
「『バイオハザード7』の惨劇をくぐり抜けたイーサンやクリスの関係がいったいどうなってしまったのか、続報にご期待いただければと思います」と神田氏。
一方、ファビアーノ氏は、本作『バイオハザード ヴィレッジ』の舞台となり、さまざまなドラマが繰り広げられる寒村について、「この村がもうひとつの主人公と言えますね」と語った。
村には素早い動きと凶暴性を備え、群れで行動するクリーチャーがはびこっている。この地で出会うな人々とどんなドラマや事件が繰り広げられるのかも見どころだそうだ。
「前作と同等かそれ以上に恐いパートが必ずある」
続いてファビアーノ氏に加え、ディレクター佐藤盛正氏、アートディレクター高野友憲氏の3人のインタビューとゲームの映像がコラージュされたムービーも公開された。
佐藤氏によれば、『バイオハザード7」の開発当時は主人公のイーサンを「プレーヤーのカメラそのものみたいな無色透明なキャラクター」として考えていたという。ところが、ゲームの完成後はスタッフたちにイーサンに対する愛着が沸いていることに気づき、「彼のその後ってどうなるんだろう?」と知りたくなった。そうした経緯から、最新作の主人公がイーサンになることはかなり早い段階から決まっていたそうだ。
また、「前作と同等かそれ以上に恐いパートが必ずある」と語るのは高野アートディレクター。映像については光源設計が『バイオハザード7』とは違うそうで、「恐ろしく美しい村」を描くというコンセプトを「かなり達成できているのではないか」と自信をにじませた。
さらに、前作の成功を誇りに思うと語ったファビアーノ氏によると、そこで得た実績を元に、本作ではボリューム拡大に取り組んだとのこと。「グラフィックやサバイバルホラーの要素だけでなく、美しさと恐怖がおり混ざった雰囲気を味わってもらいたいです」(ファビアーノ氏)。
佐藤氏はディレクターとして「エモーショナルな瞬間はどこなんだろう?」と考え、そのタイミングで恐ろしさ、美しさ、残酷さなど、どんな「フィール」を与えたいのかを考えて絵作りをするよう高野氏に伝えたという。
次世代機だけでなく、現行機での発売も?
先にファビアーノ氏が「ボリューム拡大に取り込んだ」と述べていたが、佐藤氏が述べた2つの話はこれを補足するものだった。
まずはゲームフィールドの広さと緻密さについて。“村”というと狭いエリアを想像するが、本作ではかなりの遠景まで精細に描かれ、広がりを感じるものになっているそうだ。しかも実際にキャラクターを操作して歩いてみれば、広いだけでなくさまざまなスポットへ行くことができること、しかもそれぞれが細部まで緻密に作り込まれていることが分かるという。
もう1つ、各プレイヤーが困難に対して工夫し、立ち向かう際の攻略の幅を前作より「意識して拡げている」と語った。
つまり、フィールドの広さと緻密さ、そしてプレーヤーごとに生まれる攻略や展開の幅など、実質的なボリュームが拡大されているということだろう。
加えてファビアーノ氏はゲームの映像における“視点”についても触れた。今回発表された映像ではすべて主観視点が用いられていた。ファビアーノ氏は開発スタッフが作り上げた世界に入り込むのに主観視点は効果的であると語った。
「これ以上の没入感を味わうにはプレーヤーをゲームの中に送り込むしかないですね」(ファビアーノ氏)
そしてインタビュー映像は「前作で作り出したイーサン・ウィンターズというキャラクターを最後まで見届けることが『バイオハザード ヴィレッジ』のひとつの軸」という佐藤氏の言葉では終わった。
なお、本作はPlayStation 5(PS5)とXbox Series XとPCでの発売が予定されているが、神田氏からは「PS4とXbox Oneの現行機でどこまで再現できるか研究している」との報告もあった。もしかすると今後、現行機での発売が発表される日が来るのかもしれない。
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