東京ゲームショウ2020オンライン(TGS2020)の開催に先立ち、日本eスポーツ連合(JeSU)がこれまでの活動と今後の展望について発表した。オンラインでの発表会に登壇した岡村秀樹会長は、TGS2020と同じ時期に開催するeスポーツ大会「JAPAN eSPORTS GRAND PRIX」の概要についても言及した。

JeSUはオンラインで発表会を実施。左がゲストの武井壮氏、右が岡村会長
JeSUはオンラインで発表会を実施。左がゲストの武井壮氏、右が岡村会長

 2020年9月24日夜8時のTGS2020の開幕を前に配信したJeSUの活動発表会は、岡村会長による挨拶に始まり、JeSUの概要やこれまでの活動実績、今後の展開などについて説明した。

 まず、JeSUに参加している会員企業について、発足時の15社から20年9月時点で102社まで拡大し、地方支部も発足時の11支部から20年8月時点で25支部まで増えたとした。これによって、ほぼ半数の都道府県で地方支部が立ち上がったことになる。

 JeSUの規模が拡大すると共に、特別顧問を新たに招へい。国際トライアスロン連合副会長の大塚眞一郎氏、情報経営イノベーション専門職大学学長の中村伊知哉氏、筑波大学体育系教授の山口香氏が就任した。

JeSUの地方支部は全部で25支部まで拡大
JeSUの地方支部は全部で25支部まで拡大
大塚眞一郎氏、中村伊知哉氏、山口香氏が新たに特別顧問に就任した
大塚眞一郎氏、中村伊知哉氏、山口香氏が新たに特別顧問に就任した

 国際eスポーツ団体との連携も活発に行っており、19年8月にはAESF(Asian Electronic Sports Federation)に加盟し、岡村会長が大学選手権組織委員長に就任。20年4月にはGEF(Global Esports Federation)に加盟し、同じく岡村会長が理事に就任した。

 JeSUオフィシャルスポンサーは、マウスコンピューターが新たに参加。現在は9社となっている。

 今後の活動としては、21年にタイのバンコク・パタヤで開催されるアジアインドア&マーシャルアーツゲームスを始め、各国際大会への参加を挙げた。

GEFやAESFにJeSUが加盟、連携する
GEFやAESFにJeSUが加盟、連携する

ガイドラインで風営法などに対応

 団体の規模拡大と並行して取り組んできたのが、eスポーツの大会運営を円滑に行う際の足かせとなっていた法律への対応だ。日本ではこれまで、景品表示法、風営適正化法、刑法(賭博罪)の3つがeスポーツ大会運営の高いハードルとして存在してきた。このうち、景品表示法と刑法(賭博罪)については、解決の道筋がある程度できてきている。今回、残りの風営適正化法についても、JeSUと警察庁の折衝を経てガイドラインを設定することでクリアできたと発表した。

 刑法(賭博罪)では、eスポーツ大会に参加するプレーヤーから参加費を徴収しても、それを賞金に充てず、会場費やスタッフの活動費といった大会運営に使用すれば法に抵触されないとされている。そのことを踏まえたうえで、風営適正化法にもガイドラインを明確化した形だ。

景品表示法、風営適正化法、刑法の賭博罪で、まだ解決策を模索していた風俗営業法もガイドラインを策定することで解決の糸口が見えてきた
景品表示法、風営適正化法、刑法の賭博罪で、まだ解決策を模索していた風俗営業法もガイドラインを策定することで解決の糸口が見えてきた

 なお、JeSU参加料徴収型大会ガイドラインは以下の通り。

  • 各選手から徴収する参加料は、大会設営費用のみに充当する
  • 最大参加者数をあらかじめ設定し、実際の参加者がこれを上回らない
  • 参加料の合計額が大会設営費用見込み額の合計を上回らない(ただし、大会におけるゲームプレーと直接関係しない収支を加味した結果、大会収支が全体として黒字になることは差し支えない)

 一例を挙げよう。例えば、運営費50万円で参加者100人の場合、最大5000円の参加費を設定できる。加えて、スポンサーから協賛金として20万円得たならば、その20万円を賞金に充てることも、運営費の一部に充てて参加費を3000円に抑えることもできるようになるわけだ。

 ただし、大会後に予算50万円をオーバーしたとしても、追加で参加費を徴収することはできない。逆に50万円以下に抑えられた場合は、参加者に余剰分を返還する必要がある。また、大会運営において、参加費が設営費用に充てることは、参加者向けの募集要項に明示する必要もある。

 つまり、参加費で運営が収益を出すことは基本的に禁じられている。だが、これによって大会運営が収益ゼロもしくはマイナスになるかというと、必ずしもそうではない。参加費以外の収入、例えば、スポンサーによる協賛金や広告費、大会には参加しない観戦者による観戦料、物販の売り上げなど、ゲームプレーに直接関わらない収益によって黒字化することは問題ないとされているからだ。

 さらにJeSUのサイトに掲載されている参加料徴収型大会ガイドラインを見ると、「通信可能なパソコン、スマートフォン、タブレット等の汎用性のある機器は、当該機器がゲーム以外の機能を現実に利用可能な状態で提供されている限り、風営適正化法で定める遊戯設備には該当しないことから、このような提供形態でこれらの機器のみを用いて開催される競技大会は、参加料の徴収の有無にかかわらずゲームセンター等営業には該当しないと考えられる」とある。この点に関しては、大会よりもeスポーツカフェなど風営法に抵触するかどうかグレーだった施設が、事実上、抵触しないとされたことが大きい。

 今後、このガイドラインにのっとって大会を開催する場合は、大会の告知開始日の1カ月前までに、JeSUに届け出をし、認定を受ける必要がある。

 このほか、発表会では「eスポーツを活性化させるための方策に関する検討会」の実施例や、検討会における提言を受けて超教育協会と連携して取り組んでいるeスポーツ関係者と学校機関とのコミュニティー形成の概要、「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2020 KAGOSHIMA」の開催などについても発表した。