ゲーム関連を中心に人気が高まっているライブ動画配信。この連載では、ゲーム系ライブ配信に特化した情報提供やコンサルテーションを手掛ける配信技術研究所(配信技研、東京・中央)が、“視聴時間”を軸に真に人気のタイトルや配信者、その影響力を分析している。今回は番外編として、同社がそれらのデータをどのように集計、分析しているのかを解説する。

(写真/Shutterstock)
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 米グーグル傘下のYouTubeや米アマゾン・ドット・コム傘下のTwitch、CyberZ(東京・渋谷)のOPENREC.tvといったライブ動画配信サービス(プラットフォーム)が台頭し、誰しもが個人で手軽にライブ映像を配信できる環境が整った。若者に人気の配信者(ストリーマー、日本では「ライバー」と呼ぶプラットフォームもある)も次々に登場し、支持を集めている。

 一方で、それらライブ動画配信の価値が正当に評価されているとは言い難い。ライブ動画配信ではプラットフォームをまたいだ横断的な統計データが出しづらく、実効的な価値が定量化できないからだ。

 これにはいくつかの原因がある。1つ目はプラットフォームが多いこと。先に挙げたものを含め、日本には20以上のプラットフォームが併存し、世界で最も競争が激しいライブ映像配信市場ともいわれている。

 2つ目は、複数のプラットフォームを横断的に比較する基準がないこと。テレビの世界には、1つのチャンネルを見ているときは他のチャンネルが見られないことを前提に、複数のコンテンツ(番組)を横並びで比較する“視聴率”がある。これに対し、ライブ動画配信ではプラットフォームごとにランキングなどを発表しているものの、全てのプラットフォームの全コンテンツを横並びで比較する術はない。

 それには3つ目のリアルタイム性も影響している。オンデマンドの動画配信ならコンテンツはサーバー上に残り、後からでも繰り返し再生できるが、ライブ配信は配信されたその瞬間でないと、リアルタイムでの盛り上がりや視聴者数が分からないからだ(関連記事「ライブ動画の“人気”を表す総視聴時間 評価基準が一変」)。

 こうした状況は、ゲームやeスポーツをマーケティングに生かしたいと考える企業との間に不幸なミスマッチを起こしかねない。例えば、芸能人を起用し、多額の予算をつぎ込んで、ゲーム関連のイベントやライブ配信番組を企画したのに、投資に見合った結果が得られないといったケースだ。これは、ライブ配信において真に人気があるコンテンツや配信者をきちんと評価できないことに起因する。テレビなど既存のメディアで人気のタレントがライブ配信でも人気とは限らない。逆に、テレビなどではほぼ無名でも、ライブ配信の世界では大きな影響力を持つ配信者も少なくないのである。

APIで一定間隔ごとにデータを収集

 これらの問題を解決するため、配信技術研究所(配信技研)が開発したのがライブ配信データアーカイブ「Giken Access」だ。

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