日本で利用できるマーケティングテクノロジーのソリューションが1000を超え、まさにカオスな状況になってきた。なぜそのような状況になっているのか。どう活用していくべきか。マーケテックのソリューションを集計しているアンダーワークス(東京・港)が解説する。

日本で利用できるマーケティングテクノロジーを集計した「 マーケティングテクノロジーカオスマップJapan 2020」(出所/アンダーワークス)
日本で利用できるマーケティングテクノロジーを集計した「 マーケティングテクノロジーカオスマップJapan 2020」(出所/アンダーワークス)

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 前回は日本で使えるマーケティングテクノロジーのソリューションについて、カオスマップを解説した。今回はなぜそこまで多くのソリューションが提供されるようになったのか。その背景を説明したい。

 その上で重要なキーワードが、米国でよく見かけるようになってきた「マーケティングオーケストレーション」である。文字通りオーケストラ(楽団)をイメージしており、マーケティングツールやサイロ化した組織を、数多くの楽器や演奏者に、楽譜をカスタマージャーニーマップに見立て、指揮者が全体をハーモニー(調和)させることで顧客体験や売り上げの向上を狙おうという考え方である。

 このマーケティングオーケストレーションという考え方は、データやテクノロジーを活用したマーケティングの取り組みにおいて、今最も注目すべきキーワードだ。

 なぜか。それは、マーケティングの取り組みがバラバラに行われていることを課題と感じている企業が多く存在し、個別の取り組みを強化するだけでは解決しない状態にあるからだ。

 その背景にあるデジタル化の3つの変化を「多様化」「直接化/間接化」「データ化」というキーワードで説明してみたい。

購買の因果関係の把握が難しく

 1つ目は「多様化」だ。インターネットの普及とともに多様な顧客ニーズが顕在化し、人々は汎用(はんよう)的なもので自分のニーズを満たすことが少なくなっている。コーヒーメーカーを購入する場合を例にとってみる。デジタル化がここまで進む以前であれば、マス広告や店頭プロモーションなどで認知したいくつかの選択肢から選ぶ、というのが多くの顧客の購買行動であった。購買チャネルが物理的な距離や時間などに制限されていたため、多様な製品を比較することが難しかったのだろう。

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