マーケティング分野で利用できるソリューションが日本でも年々増えている。電子商取引(EC)や、自社で顧客向けのマーケティング施策に本格的に取り組む動きを映している。日本で利用できるマーケティングソリューションを集計しているアンダーワークス(東京・港)が、最新の2020年版のトレンドと、各分野の動向を連載で解説する。

 マーケティング領域で利用されるサービスやソリューションは「マーケティングテクノロジー」、または「マーケテック」と呼ばれる。海外ではマーテック(Martech)ということも多い。あらゆる顧客接点でコンテンツや機能を顧客に伝え、顧客データに変換する役割を担っているのがマーケティングテクノロジーである。

 マーケティングテクノロジーとは営業やマーケティングに関わるテクノロジー全般を指す言葉である。狭義にはアドテク(広告関連テクノロジー)、営業にまつわるセールステックなども存在するが、それら全般を含むものだ。

 調査会社の米フォレスター・リサーチによれば、マーケティングテクノロジーの市場規模は米国だけで2020年の段階で15兆円を超えると予測されている。経験上、米国のテクノロジー市場は全世界の約半分を占めることが多い。単純計算ではあるが、全世界で30兆円もの非常に大きな市場となる。日本は米国の10分の1の1兆5000億円程度と推計できる。

日本版マーケテックカオスマップは1234に

日本で利用できるマーケティングテクノロジーを集計した「 マーケティングテクノロジーカオスマップJapan 2020」(出所/アンダーワークス)
日本で利用できるマーケティングテクノロジーを集計した「 マーケティングテクノロジーカオスマップJapan 2020」(出所/アンダーワークス)

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 こうした中、アンダーワークスは日本国内で利用可能なマーケティングテクノロジーを1枚の図にまとめている。それが日本版カオスマップの「マーケティングテクノロジーカオスマップJapan 2020」である。

 詳しくは後述するが、14年からマーケティングテクノロジーのイベントに参加していた筆者が、そこで発表された本家カオスマップにインスピレーションを受けて17年から作成しており、今年で4年目を迎えた。もともとは社内の勉強用に作成していたが、数多くのテクノロジーを比較選定するクライアントの役に立つのではないかと考えて毎年公表するようになった。

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