外出自粛を強いられた2020年以降、多くの家庭が冷凍食品(冷食)の簡便性を再評価した。日本冷凍食品協会の21年2月の調査によると、全体の約3割が「冷食を食べる機会が1年前より増えた」と回答。その冷食の中でも人気を集める冷凍ギョーザで、18年連続で販売トップを維持するのが味の素冷凍食品。冷凍ギョーザだけで年間200億円を売り上げる、冷食業界のフロントランナーの1社だ。
※日経トレンディ2021年6月号の記事を再構成。
マーケティング本部長 下保 寛氏
味の素冷凍食品のマーケティング本部長として同社製品の指揮を執る下保寛氏は、冷凍食品の可能性について、「味の素グループで年間300億円を投じている研究開発の中には、次のヒットを仕掛ける種がたくさんある。まだまだ冷食はおいしく、面白くなる」と話す。
下保氏は海外勤務が長く、18年まで冷凍ギョーザを欧州や香港などで売り歩いてきた。「海外の人も、ただフライパンに並べて中火で約5分間蒸し焼きにすればおいしいメインディッシュができることを評価する。誰でも失敗知らずという点も手伝って、徐々に味の素のギョーザは“日本発、世界のGYOZA”として認知されつつある」(下保氏)。結果として同社の冷食の海外売り上げ比率は約5割となった。
香港駐在時に、スタッフに現地で売っていたギョーザと食べ比べてもらったところ、全員が「冷凍ギョーザの方がおいしい」と答えたのは忘れられない思い出だ。
18年連続で家庭用冷凍ギョーザで日本一
年々進化する製法、海外でも認知度高まる
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