昭和日本の音楽シーンを彩ったシティポップがアップテンポなダンスチューンとして再構築され、世界中でクラブやSNSで若者を踊らせている。そのブームの最重要人物の一人が、音源のリリースに加えて、日本や米国を中心にライブ活動も行う韓国人プロデューサー兼DJのNight Tempoだ。
※日経トレンディ2021年6月号の記事を再構成
プロデューサー兼DJ
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Night Tempoの功績は、昭和のシティポップや歌謡曲、日本のアニメのセリフなどを曲に取り入れて、新曲を作り上げる「Future Funk」というジャンルを生んだことにある。さらにNight Tempoは2019年から、昭和の曲を再構築するプロジェクト「昭和グルーヴ」シリーズを始動。女性アイドルデュオ・Winkを皮切りに、工藤静香や斉藤由貴など様々なアーティストの曲を、Night Tempo Showa Groove Mixとして発表してきた。
韓国で生まれ育ちながらシティポップに興味を持ったきっかけから、今クラブシーンで支持されるダンサブルにアレンジされたシティポップの未来まで。韓国に住むNight Tempoにオンラインで取材すると、流ちょうな日本語で答えてくれた。
――日本のシティポップに興味を持つようになったきっかけは?
父が海外からの仕入れなどの仕事をしていて、小学5年生くらいの頃、父のお土産に中山美穂さんの「CATCH ME」のCDがあったのがきっかけです。今考えると1980年代に流行したイタロ・ディスコのようなダンサブルな洋楽らしさに加え、漠然としますが、アジア人に刺さる部分もあるのが好きになった理由ではないかと思います。それからWinkさんの曲など、少しずつ日本の曲を聴くようになりました。
80年代の日本のカルチャーは音楽だけでなく、ファンシーなデザインも好きです。例えば、色々なアニメのデザインが描かれたコップを集めていて、コレクションは40個くらいあります。中でも少女漫画系が好きで、『秘密のアッコちゃん』や、『とんがり帽子のメモル』などがお気に入りです。
――日本の音楽についての知識はどう深めていったのでしょうか。
好きな曲やアーティストの関係者を調べていきました。中山美穂さんの「CATCH ME」で作詞・作曲・編曲を務める角松敏生さんは今も好きなアーティストの一人で、曲を挙げるなら「AFTER 5 CLASH」や「Step Into The Light」が好きです。
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