下ネタも炎上トークもナシの理由は?

──トークの魅力として、下ネタが無く、老若男女が安心して聴いていられる「人を傷つけない」という面があると思います。

宮下 草薙はどの芸人よりも炎上を恐れているので(笑)。

草薙 恐れているというか、面倒くさいからね。

宮下 それで気を使い過ぎて疲れてるよね。下ネタが出ないのも、草薙が苦手だから。僕は、例えばトム・ブラウンさんのラジオ番組に出してもらったとしたら、ガンガン下ネタを言いたいくらいなんですけど(笑)。

草薙 あまり下ネタを面白いと思ってないんですよね。そう思ってるやつが無理やり言っても面白くないだろうし。受けたことも無いし。あと、“気にしぃ”なんで、自分が言われて嫌なことは言わないようにしてます。気を使う仕事をこれまでたくさんしてきて、渡辺謙さんや加賀まりこさんみたいな大物とロケに行ったり、大企業の社長に年収を聞きに行ったりとか(笑)、そういう中で、自然とすごく気を使うようになりましたね。

宮下 でも草薙はSNSをやってないので、もし炎上するようなことがあったとしても、燃える家が無いんですよ(笑)。だからそんなに炎上を恐れて気を使わなくてもいいのに。

草薙 もし僕に、「炎上するかもしれないけど、一定数の人にどうしても届けたい」というくらいの話があれば別ですけど、そこまでしてしたい話も無いので(笑)。何か話したいことがあったら宮下に話すくらいでいい。

宮下 僕にしてくれた話をラジオで草薙に振るときがあるんですけど、草薙自身がそのことを思い出せないことも多いですね(笑)。身内には気を使わないんですよ。最近驚いたのは、おもむろに「おまえ、貯金いくら?」って聞いてきて。どれだけ仲良くても、貯金額ってそんなにはっきり聞かないじゃないですか。

草薙 ほんと悪かった(笑)。それが変なことって分からなかった。

──今感じるラジオの魅力とは?

宮下 好きな芸人さんのラジオを追っていると、テレビで話していた“鉄板の話”の完全版を聴けるんです。だいたい、そぎ落としてない方が面白いんですよ。話のある部分を広げたくても、テレビだと尺の問題もあって短くしたり、編集されたりするから。あと、コンビでのラジオだと、相方はやっぱり「ここを広げたいんだろうな」と察するので、その掛け合いでさらに面白くなったりする。どの芸人さんも、相方を笑わそうとしてるときが一番楽しそうだし。そういう芸人さんの戯れの真の面白さが味わえるのがラジオだと思います。

草薙 僕が所属している太田プロの先輩には、ラジオで冠番組を持っている人も数多くいて、手本がたくさんいる。みんなそれぞれのスタイルでやられているんですね。仕事の中には、僕たち2人の意向というよりは、「こういう形でお願いします」と言われるものも当然ある。そんな中で、「宮下草薙の15分」は2人でやってるので、「こういう感じじゃないとダメ」というのがない。自分たちが今一番やりやすいことができる。だから、僕にとってもすごく好きな仕事ですね。

(写真/タナカヨシトモ)

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