2020年に放送されたテレビドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」の主人公・安達役で、初の連続ドラマ単独主演を果たした赤楚衛二。現在26歳と俳優としては遅咲きだが、Instagramのフォロワー数が38万人を超え、初の写真集もいきなり重版がかかるなど大ブレイク寸前だ。その役作りや、仕事への思いを聞いた。
――テレビ東京系列で2020年10〜12月に放送された深夜ドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」(通称・チェリまほ)が話題を呼んだ。主人公は童貞のまま30歳を迎えたことにより、「触れた人の心が読める魔法」を手に入れたさえないサラリーマン・安達清。その“魔法”によって、社内一のイケメンで仕事もできるエリート同期・黒沢が自分に恋心を抱いていることを知り、はじめは困惑しながらも、“自分をこんなにも思ってくれている人がいる”という気持ちによって自己肯定感を上げていくさまに勇気をもらう視聴者が続出し、日本だけでなく海外からも高い評判を得るブームとなった。
――その安達役で、初の連続ドラマ単独主演を果たした赤楚衛二は現在26歳。俳優としては遅咲きだが、Instagramのフォロワー数が38万人を超え、Twitterでもことあるごとにトレンド入りするように。20年11月に発売した初の写真集『A』(ワニブックス)もいきなり重版がかかるなど、一躍ブレイクを果たした。
赤楚 26歳の誕生日に、今回の単独主演のお話をマネジャーさんから聞いたんです。お酒とグラスをプレゼントでいただいてすごくテンションが上がっていたら「もう一個あるんだよ」って言われて、「ドラマの単独主演が決まりました」と。めちゃくちゃうれしかったですね。それで、「どういう話なんですか?」と聞いたら、「童貞で魔法使いの役でBL(ボーイズラブ)作品で」と言われて、「なんじゃそりゃ!」ってなりました(笑)。色々と衝撃でしたね。
もちろん、すごくプレッシャーもありました。僕自身、恋愛対象は女性なので男性と恋愛で向き合うという経験をしたことがなく、どうやって好きになっていくんだろうと、お話をいただいたときからずっと悩んでいたのですが、そんな中で、原作の漫画と台本を読ませていただいたら、安達を好きになる黒沢の一つひとつの優しさがすごく丁寧に描かれていたんです。こうやって幸せを積み重ねることによって愛が芽生えていくんだなということが分かって、すごく素敵なお話だなと思いました。
――「準備不足だとすごく不安になってしまうタイプ」だという赤楚。これまでの作品でもできる限り役作りをしてクランクインに臨んでいたというが、「チェリまほ」は初めて経験する要素が多かったこともあり、特に入念に準備をした。
赤楚 僕の場合、プライベートの時間もその役のことを考えて過ごしていないと、いざ現場に入ったときに言葉が浮いたりしてしまうんですよね。だから、本当に手が抜けないと思っています。「チェリまほ」だと、まず安達はサラリーマンなので、スーツが似合わなかったらどうしようと思って、成人式に買ってもらったスーツを普段から着て、電車に乗ったり、散歩したりしていました。ストライプが入っていてちょっと派手なやつなんですけど(笑)。スーツをずっと着ていると、体のどこが疲れてどういう姿勢になるのかっていうところを演技に取り入れたいと思ったんです。
あと安達は、人と向き合うことをせずに自分軸で生きてきたという背景があるので、僕もなるべく友達と連絡を取り合わないようにして、あまり他者と向き合わずに生活するようにしていました。そういう内面的なことを積み重ねていって、現場に入るときには、物語の最初の時点の29歳の安達でなるべくいられるように意識していたんです。安達として生きてきた日々がないと、現場で何も生まれないんじゃないかっていう恐怖があったので、そこは徹底的にやりましたね。
そうやって私生活から役作りをするのは、すごく好きでもあります。今まで自分が持ってなかった考え方や生き方に寄り添ってみると、自分自身がまた違う視点で物事を見られるようになるのが楽しいんですよね。
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