まだまだ人々の熱狂をつくることはできる

 コロナ禍を経て、「危険なビーナス」など10月期のドラマがスタートし、21年1月からはドラマは通常通りの放映パターンに戻るはずだ。延期が発表された人気ドラマの続編「ドラゴン桜2」(仮)の放映がいつなのかも気になるところ。そんな中、瀬戸口氏は21年のドラマなど映像コンテンツのトレンドはどうなると予測しているのだろうか。

 「これだけ世の中が閉塞感を抱えているので、せめてエンターテインメントの世界だけでも前向きなものを求めたいという空気は強くあると思う。具体的にはいえないが、それに応えるような作品が増えていくのではないか」

 一方でコロナ禍では、Netflixなどの動画配信サービスが勢いを増した。しかし瀬戸口氏は「まだまだテレビのメディアパワーは強い」とみている。その根拠がリアルタイムの視聴者数だ。

 ビデオリサーチは、全国の個人視聴率から推計される到達人数(1分以上視聴した視聴者数)の提供も開始した。例えば「半沢直樹」の最終回だと、到達人数は3335.4万人(ビデオリサーチ調べ、TBS系列28局)という驚くべき数字になる。

 「視聴スタイルが多様化していく流れは止められない。けれど、3000万人以上の人がリアルタイムで同時に視聴するようなメディアはテレビの他にはない。7月期の3作品の結果から、いいドラマを作り続ければ人々の熱狂をつくることはまだまだできると確信している」

 TBSのドラマは21年も熱狂をつくり続けられるのか? 旗振り役を務める瀬戸口氏への期待は大きい。

「危険なビーナス」(TBS系にて毎週日曜よる9時放送中)(C)TBS
「危険なビーナス」(TBS系にて毎週日曜よる9時放送中)(C)TBS
ヒットをつくる人の素顔

これまでで1番印象に残っているドラマ作品は?

1986年に放映された「男女7人夏物語」。鹿児島で暮らす中学生にとって最終回のラストシーンが衝撃的で、「東京の大人ってこんな恋愛の選択をするんだ」と驚いた。いまだに、そのシーンは強烈に頭の中に残っている。

日々の情報源はなんですか?

打ち合わせなどで外出したときに、その街の本屋さんやレンタルビデオ屋さんに入店して、どんな本やビデオが並んでいるかを見ること。店ごとにラインアップが千差万別で脳が刺激されるし、ネットサーフィンばかりだと自分の求める情報を探すだけになってしまうことが多いので。そして積極的に人と話をするようにしている。それこそドラマを作るときはさまざまな人に取材をし、そこで聞いた話がドラマのネタになったり、キャラクターの血肉になったりすることが多い。

(写真/村田 和聡)