
2015年に米国で誕生した斬新ガジェットを体験できる店舗「b8ta(ベータ)」が20年8月、日本に上陸。東京・有楽町と新宿にオープンした。“売ることを前提としない”が特徴で、コロナ禍でECが伸びる中、消費者との接点として注目を集める。ダイソンなどをへて、日本の店舗を統括するb8ta Japanの北川卓司氏は、日本向けにどうカスタマイズしたのか。
b8ta Japan カントリーマネージャー
2020年8月、東京の有楽町と新宿に“モノを売ることを目的としない”斬新な店がオープンした。米サンフランシスコ発のb8taだ。
b8taの店内には、約60×40センチに分かれた区画が多数並び、それぞれに個性的なデジタルガジェットをはじめ、コスメや食品、アパレル、玩具などバラエティーに富んだ商品が陳列されている。客は、店内を自由に見て回り、気に入ったものを手に取って実際に試せる、体験に特化した店舗だ。
各区画にはタブレットが設置され、商品の説明動画などを自由に見られるうえ、スタッフに声をかければ詳細な説明も聞ける。その他にイベントスペースもあり、有楽町の店舗では小型ドローンを操作できるブースが設置されていた(9月中旬時点)。商品をその場で買えるのは一般的な小売店と同じだが、店内でスタッフと相談するだけでもOK。その場で同社以外のオンラインショップにアクセスして買ってもいいという。スタッフが“積極的に売ろうとしない”のは、まさに定石外れだ。
この斬新な店舗の日本展開を任されたのが、b8ta Japanカントリーマネージャーの北川卓司氏だ。同氏はロモジャパンCEOを務めた後、ダイソンのリテールマネージャーとして世界初の旗艦店「Dyson Demo表参道」をオープンさせた経歴を持つ。19年にb8ta Japanの代表として、日本出店計画をゼロから企画した。
そもそもなぜ、b8taは“売らない”戦略を取れるのか。その秘密は、ビジネスモデルにある。
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