
川島蓉子「アパレルに未来はあるか」
ブルックス ブラザーズ、レナウン……名門アパレルブランドなど、国内外のアパレル企業が次々に破綻。これは時代とズレていることに気づきながら放置してきた“既存システム”の問題が、一気に現象化しただけではないか。長年ファッション業界を見てきたifs未来研究所所長の川島蓉子氏が斬り込む。
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第12回2021.02.17百貨店は「買い回り」の価値を再構築せよ目的ありきであれば、ECが圧倒的な優位。しかし、人は思いもかけないものに出合いたいと考えているし、そこに価値や意味を感じるものだ。それこそ、買い回りで生活提案できる百貨店の力の見せどころではないだろうか。
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第11回2021.02.01日本の百貨店は世界の最先端だった 海外のバイヤーも認めた価値日本の百貨店の価値は“時代の半歩先を行く新しさ”と“上質で豊かな暮らし”を提案するところにあり、買い物という行為そのものを変える画期的業態だった。しかしバブル崩壊後、それまで世界の最先端を行っていた百貨店に“上質さ”を提案する余裕はなかった。
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第10回2021.01.18“手の届く高級”ブランド「コーチ」 何度も再生を果たした理由LVMH、ケリング、リシュモンという三大高級ブランドグループには属さない米国ブランド「コーチ」は何度も危機を迎えながらもその理念に立ち返り、再生を果たしてきた。そして、同ブランドの現在の課題は、成長の原動力となった“手の届く高級”からの脱皮だろう。
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第9回2021.01.04ルイ・ヴィトンはなぜ世界的ラグジュアリーブランドになれたか1854年、パリにある1軒の旅行かばん専門店からスタートしたルイ・ヴィトンはいかにして世界的ラグジュアリーブランドになったのか。そこには卸ビジネスから直営店ビジネスへ、バッグブランドからファッションブランドという大きな戦略的転換があった。
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第8回2020.12.14○by X、○from X…似た名前のアパレルショップが乱立する理由国内出張するため、久しぶりに東京駅を訪れた。新店も含めて無数の店が軒を連ねている。ただ多いこともあるのか、それぞれ知恵を絞って差異化を図っているようなのに、よく見ても違いが分かりづらい。同質化しているのは、アパレルだけでなく、他業界でも同様と感じた。
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第7回2020.11.30なぜアパレルショップには似たような商品ばかりが並ぶのかコロナ禍で、街に出て買い物をする必然性がなくなった。アパレルは不要不急であり、ネットで買えばいいこと。頭では分かっているのだが、生来の服好きな上、気持ちを上げるにはやっぱり服が必要と、自分に言い訳しながら買い物に出かけた。
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第6回2020.11.16ファッション×デジタル=ECではない アバターにブランド服ファッション最高峰のひのき舞台であるパリコレがデジタルに場を移し、リアルでは体験できない新たな形のショーが生まれている。また、ラグジュアリーブランドがアバターファッションに続々参入。ECだけではない、ファッション×デジタルの新たな可能性を探る。
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第5回2020.11.02アパレル業界のデジタルシフトが遅れた“2つの理由”アパレル業界は時代の流れに敏感なはずで、その隆盛期をつくったのが今のマネジメント層であることを鑑みると、商いの勘は働いていたに違いない。なぜもっと早くデジタルシフトに手を打てなかったのか。
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第4回2020.10.19急増するアパレル激安業態「オフプライスストア」は正しい戦略か売れ残ったアパレル商品を激安で販売する「オフプライスストア」。企業にとっては在庫を消化する有用なチャネル、消費者にとっては都心近辺でお買い得商品が手に入る場所と、両者にとってメリットがあるように見える。だが、本当にそうだろうか。
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第3回2020.10.05アパレル業界はなぜ「セール前倒し」をやめられない?シーズン最盛期にセールの札が並ぶようになったアパレルショップ。そのために、コストを抑えたセール専用商品をつくるブランドまで出てきている。これでは短期的に売り上げを確保できても、中長期的には企業やブランドの価値を下げることになりかねない。
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第2回2020.09.23なぜアパレル業界の「半年サイクル」が通用しなくなったのかファッション業界独特の「春夏」「秋冬」という半年サイクルからの転換が求められているのは、消費者が新しさに価値を見いださなくなったこと、そしてサステナビリティーへの対応ニーズが大きい。半年ごとにトレンドを提案し続けるファッションのありようにもはや説得力はないのだ。
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第1回2020.09.07「アパレル企業続々破綻」の真相 時代とずれたシステムを放置ブルックス ブラザーズ、レナウン……名門アパレルブランドなど、国内外のアパレル企業が次々に破綻。これは時代とずれていることに気づきながら放置してきた“既存システム”の問題が、一気に現象化しただけではないか。長年ファッション業界を見てきたifs未来研究所所長の川島蓉子氏が斬り込む。