東京五輪開会式でMISIAが着用して話題となった“ふわふわドレス”。手掛けた「トモ コイズミ」のデザイナー、小泉智貴氏の独自性の強いスタイルが生まれたのは、4年ほど前のことだった。昔ながらの繊維の問屋街を巡っていて、色とりどりのオーガンディが並んでいるのが目に留まったのだ。
本連載では常識にとらわれないアプローチで存在感を発揮しているアパレル業界の“革命者”たちの熱量の原点を探り、それをどのようにしてビジネスにつなげていったかを掘り下げていく。今回は 前回に引き続き、ファッションブランド「トモ コイズミ」のデザイナー、小泉智貴氏。
“ふわふわドレス”は問屋街で見つけた「ハギレ」から
小泉さんのファッションの独自性、そのルーツはどこにあるのか。透ける素材のオーガンディにひだを寄せ、フリルにしたものを連ねて立体的な造形を作る。独自性の強いスタイルが生まれたのは、4年ほど前のことだった。昔ながらの繊維の問屋街である日暮里の布地屋さんを巡っていて、色とりどりのオーガンディが並んでいるのが目に留まった。
反物から量り売りで売られる布地は、最後に残ったハギレの部分を定価より安く売っている。オーガンディのハギレがたくさんあるのを見て、これを使って服を作ろうと思いついたという。
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