売れ残ったアパレル商品を激安で販売する「オフプライスストア」。企業にとっては在庫を消化する有用なチャネル、消費者にとっては都心近辺でお買い得商品が手に入る場所と、両者にとってメリットがあるように見える。だが、本当にそうだろうか。

(写真/Shutterstock)
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 百貨店やファッションビルの不振、アパレル企業の倒産や業績悪化などが盛んに報じられている。この背後にコロナ問題があることは言うまでもない。だが、理由はそれだけでなく、兆しとしては以前からあったこと。“既存のシステム”が時代とずれていることに気づきながら、まだしばらくは成立するという甘えがあった。それが新型コロナウイルス感染症の世界的流行で一気に現象化し、対処せざるを得なくなった。これが実態ではないか。この連載では、ファッション業界の何が課題で、どうしたら前に進めるのかについて、具体的な企業やブランドの動きを含めて考察していく。

 前回は、アパレル業界が半年ごとに行うセールが売り上げ確保を目的として徐々に前倒しになり、需要の最盛期に行われるようになったこと。それが行き過ぎてセール専用商品を作る行為まで出てきていること。その矛盾に気づきながら、抜本的な改革をしてこなかったことなどに触れた。今回は最近国内で増えている新業態「オフプライスストア」について考えてみたい。

売れ残りは焼却か、オフプライスストアへ

 アパレル業界のセールの大まかな構図はどうなっているのか。正価で売れ残った商品はまず店頭のセールで値引きし、次に別会場で開催する得意客向けファミリーセールで売る。ラグジュアリーブランドなどイメージを特に重視するところは、一般消費者には分かりづらい限定的なセールを行っている。

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