
「我々が進めているのはDX(デジタルトランスフォーメーション)ではなく、CX(コーポレートトランスフォーメーション)。全社改革だ」――。カインズが今デジタル戦略に舵(かじ)を切った理由について、高家正行社長は意外な言葉を口にした。その真意とは?
高家社長は三井銀行(現三井住友銀行)から米コンサルティングファームのA.T.カーニーに移って戦略コンサルタントとなり、リーマンショック直後の2008年に45歳でミスミグループ本社の社長に就任。業績を回復させた“プロ経営者”だ。ミスミを退職した後、当時カインズの社長を務めていた土屋裕雅会長に「カインズの経営を見てほしい」と請われて16年に入社した。
実は高家氏が社長に就任した19年3月から遡ること4カ月。全店長と全幹部が700人程度集まる月次会議で、当時の社長である土屋裕雅会長が「これからカインズは“第3の創業”として不連続な改革をやっていく。そのために一番大きな人事が必要」と語り、社長交代を宣言したのだという。
ベイシアグループ創業者の土屋嘉雄氏がカインズを立ち上げて日本全国に店舗を展開していったのが“第1の創業”。その長男である2代目社長の土屋裕雅会長がSPA(製造小売り)事業を立ち上げてPB(プライベートブランド)商品を拡大していったのが“第2の創業”。そして今回を第3の創業として、次のカインズをつくる宣言をしたわけだ。
そんなカインズは、プロ経営者の目にどう映ったのだろうか。
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