
ショウワノート(富山県高岡市)のA5判ノート「BETWEEN(ビトウィーン)」の売れ行きが好調に推移している。価格600円(税別)と高額ながら、2019年3月の発売以来、年間1万冊を出荷した。最大の特徴は、ノートを開くと180度水平になること。従来のノートはセンター(のど)が盛り上がり、左右のページをまたいで文字などを書くことが難しかった。
「BETWEEN」は見開きの状態でものどの盛り上がりがないため、ページ全体を自由に使える。2019年度のグッドデザイン賞も受賞した。開発を担当したショウワノート営業本部市場開発企画係長の板井麻由美氏は、BETWEENを企画した理由を「最初は小学生向けに『180°水平に開く学習帳』を17年に発売したが、水平に開くという特徴がうまく伝わらなかった。そこで今回はパッケージなど見せ方を変え、大人向けに訴求した製品にした」と語る。
180度水平開きのノートは、中村印刷所(東京・北)の中村輝雄社長が発明し、15年に特許を取得していた。ショウワノートは中村印刷所とライセンス契約を結び、小学生向け学習帳の販売時から自社生産して市場を開拓してきた。
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BETWEENのコンセプトは「見開きでストレスフリーになることで発想も自由に」。メインターゲットは社会人女性とし、サイズは女性の小さなカバンに入るA5判とした。「180°水平に開く学習帳を使ってみると、とても書きやすかった。小学生向けというより、大人向けができないかと思った。自分が女性なので、社会人女性として企画することにした」(板井氏)。
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