博報堂コンサルティング執行役員の楠本和矢氏とともに、より現実的なブランディングの方法論を考える本連載。前回はブランドのコンセプトを生み出すには、3つの連想(トリガー連想、強化連想、ゴール連想)を積み上げるのが効果的だと提唱した。今回は、これらの連想を具体的な施策に落とし込むための「12の切り口」に迫る。

 ブランド連想をつくる、といっても、一気にすべての連想をつくることはできません。ブランドに関する情報を、生活者に対して一気にいろいろと伝えても、処理できる量には限界があるからです。

現実的に考える新ブランディング論

 必要なことは、どういう順序で施策を繰り出し、連想を組み上げていくか設計することです。前回お伝えした「トリガー連想、強化連想、ゴール連想」が、そもそもブランド連想を構築するための大きな順序論となりますので、それらの連想をつくるための具体的施策(ファクト)を「つながり」の中で検討することが必要となります。

 この施策→連想のつながりが可視化されたものを、私は「連想MAP」と呼んでいます。まずは、ファクトを考えるための切り口をご紹介します。もちろん、これらだけではありませんが、1つの補助ツールとしてご活用ください。

ブランディング施策を考える12の切り口
1.機能/成分:成分や機能的な特徴、それがもたらす利便性
2.デザイン:デザイン面での特徴
3.サービス:サービスの特徴、付随的なサービス
4.チャネル:店舗や売り場に関する特徴
5.提供工程:顧客の手に届くまでの工程面での特徴やこだわり
6.社会活動:社会貢献活動や、展開している社内活動
7.領域:展開している/身を置きたいカテゴリー
8.用途:理想とする使い方
9.顧客像:リアルユーザー/想定ユーザー
10.実績:販売実績や、カテゴリー内でのポジション
11.評判:著名人や多数からの評価
12.比較:他との比較優位性

 さて、ここからが本番です。先に設定した「3つの連想」を醸成するために効果的なファクト、つまり具体的なブランディング施策を検討していきます。ちなみに、ブランドコンサルタント楠本和矢としては、ブランド戦略を構築するプロジェクトで、この作業が最も創造的であり、楽しい作業だと感じます。

 実効性のある連想MAPを創り出すためには、知識や経験値の裏付けが必要であり、また、本連載の第1回でも述べた「発展的に考える」ためには、対象のブランドや、得意先そのものに対する深い理解と洞察が必要となるからです。まさにこれが、ブランドコンサルティングの醍醐味とも言えるでしょう。

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