ブランディングは、ブランドのコンセプトを定めるところから始まる。では、どのような手順を踏めば、共感を生むコンセプトを生み出せるのか。博報堂コンサルティング執行役員の楠本和矢氏はシンプルに、3つの連想を積み重ねることを提唱する。

ブランドコンセプトはどうつくるべきか(写真/Shutterstock)
ブランドコンセプトはどうつくるべきか(写真/Shutterstock)
現実的に考える新ブランディング論
【第1回】ブランディングはなぜ曖昧になったのか 歴史から考える
【第2回】ブランディングは、もっとシンプルに捉えると本質が見えてくる
【第3回】ブランドコンセプトのつくり方とは 「3つの連想」を積み重ねる←今回はココ

 皆さん、こんにちは。少し間が空いてしまいましたが、ここから元のペースにて再開いたします。今回からは、前回ご説明したブランドやブランディングの「定義」「目的」を前提に、あるべきブランディングの進め方について解説していきます。

 ブランディングはブランドコンセプトに基づいて実施します。ブランドコンセプトはブランディングの入り口であり、ブランディングを成功させるために最も重要な検討パートだといえます。何をコンセプトにするか。“What”の部分でミスってしまうと、その後の“How”のところでいくら頑張っても成果は出ないからです。

トリガー連想+強化連想+ゴール連想

 ブランドコンセプトを定める前にやるべきは「体系」を決めることです。これまでご説明した通り、ブランディングの目的を「連想によって『実態以上の価値』を期待させること」だと定義すると、ブランドコンセプトもシンプルに「構築したい連想」を構成要素にするべきだと考えます。

このコンテンツ・機能は有料会員限定です。

この記事をいいね!する