東京都の宮坂学副知事が語る、都市DX(デジタルトランスフォーメーション)インタビューの後編。コロナ禍を受けて必要とされる都市の姿はどのように変わっているのか。また、スタートアップなど民間企業を含めた東京都の“仲間づくり”をどう進めるのかーー。

インタビュー前編(特集第6回「『バーチャル都庁に“引っ越す”』 宮坂副知事が語るスマート東京」はこちら

“爆速”で進む東京都のDX。宮坂副知事は次に何を見据えているのか(写真/Shutterstock)
“爆速”で進む東京都のDX。宮坂副知事は次に何を見据えているのか(写真/Shutterstock)

新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、スマート東京の取り組みの中で優先順位が変わってきているものはありますか?

宮坂学氏(以下、宮坂氏) 「スマートシティ for コロナ」の方向に、一気に流れが変わった印象はあります。19年は、予定されていた東京オリンピック・パラリンピック会場の5Gや高速Wi-Fiの整備に向けて走っていました。ところが、コロナ禍を受けて今は、例えばリモート学習などのニーズが高まっている子供の教育現場に高速ネットワークを配備するといったことに、より力を入れています。

 また、スマート東京実施戦略の下、進めている官民連携データプラットフォーム(編集部注:都庁自身の持つデータに加えて、都内区市町村、関係機関、民間企業などから得た公共データや民間データなどがオープンAPIで連携するデータプラットフォーム)についても、新型コロナ対策などを念頭に20年8月に実証プロジェクトを決定しました。例えば、3密回避をテーマにオフィスの疎密可視化や回避策の検討、3密を回避した移動と公共交通事業者の乗客数の減少防止を両立させた情報提供の在り方などを実証していきます。

 都民のみなさんに3密を避けてくださいとお願いしている以上、行ってみないと分からないという状況は改善すべきです。混雑状況を可視化して、それを回避するための情報提供を積極的に行うことが重要で、まさに今、取り組んでいます。

東京都副知事の宮坂学氏。Zoomによるインタビューを行った
東京都副知事の宮坂学氏。Zoomによるインタビューを行った

20年3月にいち早く公開した「東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト」が、行政では異例のオープンソースなサイトとして登場し、様々な波及効果をもたらしています。「アジャイル型」「デザイン思考」というキーワードも宮坂副知事の発言によく出てきますね。

このコンテンツ・機能は有料会員限定です。

有料会員になると全記事をお読みいただけるのはもちろん
  • ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
  • ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
  • ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
  • ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー
ほか、使えるサービスが盛りだくさんです。<有料会員の詳細はこちら>
この記事をいいね!する