
東京・竹芝に「東京ポートシティ竹芝」という名の新ランドマークが誕生した。飲食店も入る地上40階建てのオフィスタワーと、262戸のレジデンスタワーからなり、オフィスタワーにはソフトバンクグループと通信子会社ソフトバンクが新本社を構える。最先端技術を詰め込んだ “司令塔”は、世界をリードするスマートシティを目指す狼煙(のろし)となる。
棚田状に緑が連なるテラスを備えた「超高層スマートビル」が2020年9月14日、東京・竹芝に開業した。東急不動産と鹿島が共同開発した「東京ポートシティ竹芝 オフィスタワー」である。
飲食店やイベントホール、シェアオフィスなどが入るこのビルの9階から上は、ソフトバンクグループとソフトバンクの新本社。法人営業部門を皮切りに総勢約1万人が東京・汐留から引っ越しし、20年内に入居を終える計画だ。
全館に次世代通信規格「5G」を張り巡らせ、AI(人工知能)カメラを使った顔認証で入館を管理。顔パスで認証ゲートを通ると、エレベーターが自動で開き、行き先をタッチせずとも、目的の階まで連れて行ってくれる。
自律走行ロボット「Cuboid(キューボイド)くん」が飲料を運び、AI搭載型の清掃ロボット「Whiz(ウィズ)」が床を磨く。警備ロボット「SQ-2」はエレベーターと連動して上下にフロアを移動しながら、館内の安全に目を光らせる。
5G、顔認証、ロボット……。華々しいテクノロジーに目を奪われがちだが、このビルの最大の肝は、そのインフラにある。ビル内のあらゆるデータをリアルタイムに収集・分析する「IoTプラットフォーム」を導入したのだ。
「今までにない、まさに我々にしか創り得ないシステムだ」。ソフトバンクの今井康之副社長執行役員兼COO(最高執行責任者)はそう自信を見せる。このプラットフォームを支えるのが、ソフトバンクが19年7月に資本業務提携したバンティックという米国のスタートアップである。
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