
建築・インテリアなどのデザイン戦略コンサルティングを提供するグローバル企業、ゲンスラー・アンド・アソシエイツ・インターナショナル・リミテッドの東京オフィスは2020年5月、新型コロナ後のオフィスを考える企業向けに効果的な対策や働き方を支援するサービスを発表。代表を務める松下千恵氏にポイントを聞いた。
新サービスを開始した背景は?
松下 新型コロナウイルス感染症の対策として、テレワークによる在宅勤務が世界中の企業で進んでいます。世界50カ国で展開する当社にも、さまざまなクライアントから今後のオフィス戦略に関する問い合わせが来ていました。そこで米国では3月ぐらいから新サービスを開始しています。日本のクライアントからも「長期的に見てオフィスのレイアウトや面積はどのように考えればよいのか」といった声を聞くようになりましたので、5月に新サービスとして正式に発表しました。
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具体的には「RE-THINKフェーズ」「RE-ENTRYフェーズ」「RE-ACTIVATEフェーズ」の3つのステージに分けて、コンサルティングを実施します。
RE-THINKフェーズでは「在宅勤務調査」を行います。今回、在宅勤務を余儀なくされた社員全員にそれぞれの体験をオンラインで聞きます。その結果に基づき、今後のオフィス環境や働き方につなげます。業種別に分析したり、日本と海外の事例を比較したりすることもできます。
さらにオフィスへの「リターン計画」を作成するため、ソーシャルディスタンス(社会的距離)に応じた最適な“オフィス密度”を計算します。「ReRun」と呼ぶ当社の独自ツールを活用し、ソーシャルディスタンスを保った数百~数千席のレイアウト、部門やフロアごとのレイアウトを自動的に生成することができます。在宅勤務の調査状況と合わせれば、誰がオフィスで働くべきか、オフィスには誰を戻すべきかなどが分かります。
RE-ENTRYフェーズでは、今後の新しいオフィス環境や運用、組織文化の持続などの点を踏まえガイドラインを策定します。同時に、「チェンジコミュニケーション」を通して、新しい働き方へシフトするため社員にどんなメッセージを送ればいいか、どのように導けばいいかなどをアドバイスします。
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