アフターコロナ働き方&オフィス改革

イトーキは「XORK Style(ゾークスタイル)」を掲げ、新しい働き方に挑戦している。アフターコロナ時代のオフィスの在り方について、XORK Style委員会の中心メンバーである営業戦略統括部営業企画部マーケティング戦略企画室室長の藤田浩彰氏とFMデザイン設計部首都圏第2デザイン設計室室長の星幸佑氏に話を聞いた。

前回(第11回)はこちら

イトーキが掲げる「XORK Style」とはどのような働き方でしょうか。

藤田 XORK Styleとは、社員の自己裁量を最大化し、自らの働き方を自律的にデザインしていく次世代のワークスタイルです。これを実現するために導入したのが、オランダのコンサルティング会社、ヴェルデホーエンが30年前より提唱している「アクティビティー・ベースド・ワーキング(ABW)」という考え方で、当社もABWによって働き方改革に取り組んでいます。

 ABWは組織の働き方を変革し、成功に導くための、全体計画の構想から導入までの方法論。社員個人が自己裁量で自身の活動にふさわしい時間や場所を選択できるようにしています。オフィスの話だけではなく、人事制度やIT環境なども見直す必要があるので、企業全体で取り組む必要があります。

イトーキは、まずはどのような取り組みから始めたのでしょう。

藤田 ABWでは、まず業務を分解することから始まります。ヴェルデホーエンのABWでは「高集中」「コワーク」「電話/WEB会議」「二人作業」「対話」「アイデア出し」「情報整理」「知識共有」「リチャージ」「専門作業」の10の活動を定義しています。会計とか営業といったレベルで整理しているわけでないので、どんな企業のどんな業務にも当てはまるはずです。

ABWを提唱したオランダのコンサルティング会社ヴェルデホーエンは、業務のアクティビティーを10個に分類している。それぞれにふさわしい場を用意することで生産性向上につなげる(ヴェルデホーエンの資料より)
ABWを提唱したオランダのコンサルティング会社ヴェルデホーエンは、業務のアクティビティーを10個に分類している。それぞれにふさわしい場を用意することで生産性向上につなげる(ヴェルデホーエンの資料より)

 社員は自身の業務にふさわしい場所を毎日、選んでいます。例えばチームミーティングと一口にいっても、その中身はさまざまです。アイデア出しならこの部屋、知識共有ならこの部屋というように同じチームミーティングでも具体的な業務は何かを意識しながら、自分で場所を選ぶのです。

イトーキは2018年秋に首都圏のオフィスを東京・日本橋に集約。本社を「ITOKI TOKYO XORK」として新しい働き方を実践している。アイデアを考えるためのミーティングスペース。開放的な雰囲気にして、自由な意見を出せるようにしている(写真提供/イトーキ)
イトーキは2018年秋に首都圏のオフィスを東京・日本橋に集約。本社を「ITOKI TOKYO XORK」として新しい働き方を実践している。アイデアを考えるためのミーティングスペース。開放的な雰囲気にして、自由な意見を出せるようにしている(写真提供/イトーキ)
集中して業務ができるようにしたスペース(写真提供/イトーキ)
集中して業務ができるようにしたスペース(写真提供/イトーキ)
プレゼンテーションのために内部を階段状にした他、外部を気にせずじっくりと議論できるようにしたミーティングスペース(写真提供/イトーキ)
プレゼンテーションのために内部を階段状にした他、外部を気にせずじっくりと議論できるようにしたミーティングスペース(写真提供/イトーキ)
ウェブ会議などを行うスペースは、静かな空間を確保している(写真提供/イトーキ)
ウェブ会議などを行うスペースは、静かな空間を確保している(写真提供/イトーキ)

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