
新型コロナ禍で在宅ワークが広がり、生活者が住宅に求める機能にも変化が現れている。旭化成ホームズは独自の調査データを基に、3タイプの在宅ワークスペースの提案を始めた。リノベーションサービスのリノベるでは、「籠もり感」のあるワークスペースが人気だという。
2020年4月の緊急事態宣言を経て、在宅ワークをする就業者は急増した。「ヘーベルハウス」で知られる旭化成ホームズによると、20年4月の調査で、在宅ワークを月1回以上している就業者は約4割に達し、前年調査に比較して頻度も大幅に増加したという。同調査は4月7日の7都府県の緊急事態宣言の前に行ったため、現在はこの傾向はより強まっていると推測される。
こうした変化を受けて、旭化成ホームズでは、これまでのノウハウを生かしながら、これからの暮らしに合わせた在宅ワークスペースの提案をいち早く行っている。20年4月には多彩なワークスペースを紹介するWebサイトとカタログを公開。カタログはWebサイトから請求することもでき、多くの反響があった。提案を始めた4~7月の資料請求数は、前年同期比で約5割増だった。
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同社は独自調査「在宅ワークに関するくらしの変化についての調査」(20年4月3~13日実施)で、就業者が在宅ワークを行う場所や、在宅ワークによって生じたメリットやデメリット、暮らしの変化などを調べた。
「調査時点で在宅ワークをしている就業者の多くは、寝室の一角や書斎などで作業をする『個室派』と、リビングダイニングのテーブルやカウンター机で作業をする『LD派』に大別できることが分かった」(くらしノベーション研究所研究員の高村舞氏)
どちらも「仕事に集中できる環境」を求めていること自体は同じだが、個室派の場合は、家族と距離を取り、仕事を効率化できるなど「生活空間の分離」を求める一方で、LD派の場合は、家族と一緒で、小さな子供を見守れるなど「生活空間との融合」を求める傾向にあった。
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