日経クロストレンドでは、マーケティング・テクノロジー関連のオンラインセミナーに着目し、年末から年度末にかけて開催されるものを中心にカレンダーとしてまとめた。

(写真/Shutterstock)
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 コロナ禍で世界の経済はどうなっていくのか。この大きなテーマを議論する場として注目したいのが世界経済フォーラム(World Economic Forum、略称WEF)だ。WEFは毎年1月にスイスのダボスで年次総会を開催してきた。通称「ダボス会議」と呼ばれている。世界各国の首脳や経営者が集まり、その後の世界経済を占うとともに、大きな困難を乗り越えていくための協力体制を議論する場として知られている。

 このWEFの年次総会だが、2021年は5月13日から16日まで、シンガポールで開催されることが、20年12月7日に発表された。欧州でのコロナ禍の広がりが衰えを見せないため、場所をアジアに移して開催することになったものだ。

 この決定に伴い、21年1月と4月に先行イベントを開催することも併せて発表された。まず1月に「The Davos Agenda」(1月25~29日)がオンラインで開催され、4月には「Global Technology Governance Summit」(4月6~7日)が東京で開催される。いずれも、デジタル技術の活用が話題の中心となる方向だ。

 実は、WEFが着目した21年の重要なテーマの1つが“第4次産業革命”である。ビッグデータやAI(人工知能)、ロボット、FinTechなどのデジタル技術を駆使してモノやサービスの生産・提供を行うことにより、経済活動の大転換が起こるとともに、健康、医療、公共サービス、働き方、ライフスタイルに大きな影響を与える産業革命になると考えられている。まさにDX(デジタルトランスフォーメーション)を世界レベルで推進しようという考えである。

 5月のWEF年次総会では、デジタル技術を駆使した第4次産業革命によって、コロナ禍を乗り越えながら政治や企業経営のかじ取りをしていくための議論が交わされる予定だ。そこで、総会で取り上げるべき具体的なテーマや課題を1月と4月のイベントで先行して議論しようということになったもの。まずは、1月のオンライン・カンファレンス「The Davos Agenda」でどういう議論が交わされるのか興味深い。

 WEF関係以外で注目したいのは、「Shoptalk」だ。前回のオンラインセミナーカレンダーでは、全米小売業協会(NRF)が主催する世界最大規模の小売業の展示会「NRF Retail’s Big Show」を紹介したが、並んで注目されている小売業の一大イベントがShoptalkである。小売業界の未来を創造するイベントとして、16年から毎年春に米ラスベガスで開催されてきたが、コロナ禍のため21年は3つのオンラインイベントとなる。その第1弾が「Groceryshop Spring Meetup」で、21年3月9~11日(米国時間)に開催される。小売業のデジタル化、オムニチャネルなどがテーマとして取り上げられる予定だ。

 国内では、日本経済新聞社アジアメディアユニットと36Krが主催する「アリババとファーウェイのDX革命」(20年12月22日)、日本マーケティング・リサーチ協会が主催する「定性リサーチャー オンライン交流会」(21年1月8日)、日本マーケティング協会が主催する「コロナ禍のスポーツマーケティング」(21年1月15日)にも注目したい。

 以下、年末から年度末にかけて開催されるオンラインセミナーを中心に、国内と海外に分けて開催日順に紹介する。

マーケティング・テクノロジー関連で注目のオンラインセミナー

国内

12月21日 中小企業でもAIは使える!
「中小企業がAIを導入するには」「ビジネスへのAI導入事例」「中小企業がAI導入を進めるためのプロセス」「成果を上げられる分野と導入事例」といったテーマで、中小企業のAI導入に関して、具体的なイメージを持ってもらうためのセミナー。講師は、日本ディープラーニング協会理事・事務局長(ABEJA 共同創業者)岡田 隆太朗氏、入鹿山未来創造研究所の入鹿山剛堂氏。 ●主催:東京都中小企業振興公社 ●日時:12月21日(月)14:00~16:00 ●料金:無料
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12月21日 「観光復興ガイド」活用オンラインセミナー
TABIPPO、TBWA HAKUHODO、PR TIMES、FUKKO DESIGNの4社が2020年12月に発表した『新しい時代に対応する観光復興ガイド‐SNSから見える企画のタネ‐Vol.2』を基にして、これから求められる旅行企画を考える方法を解説する。講師は、TABIPPO代表取締役の清水直哉氏とTBWA HAKUHODOの田貝雅和氏。 ●主催:TABIPPO ●日時:12月21日(月)18:00~19:30 ●料金:無料
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12月22日 アリババとファーウェイのDX革命
バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイという中国を代表する巨大テクノロジー企業をBATHと呼ぶ。アリババとファーウェイによる小売業と製造業におけるDX改革をひもとく。講師は、ファーウェイ・ジャパンCloud & AI 事業本部CTOの秋元一泰氏、アリババジャパン社長室新規事業開発担当部長の小滝浩哉氏ほか。 ●主催:日本経済新聞社アジアメディアユニット、36Kr ●日時:12月22日(火)13:30~15:30 ●料金:無料
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12月23日 コロナ禍のインドの現実と躍進の未来図~インド・ビジネスサロン
「コロナ禍での躍進、インドが描く未来図」をテーマに、イノベーターをつき動かして進化するインドのビジネス・エコシステムや日印協業の現場を、インド現地を熟知する日印の専門家と共に紹介する。講師は、JETROベンガルール事務所長の鈴木隆史氏ほか計4人。 ●主催:日本経済新聞社 (日経渋谷センター) ●日時:12月23(水)12:00~14:00 ●料金:日経電子版有料会員または新聞購読者(日経ID決済)/アーカイブ視聴付き(早期申し込み割引)3000円(税込み)など
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2021年1月6日 新春デジタルベンチャーサミット
BtoBプラットフォームを提供するインフォマートが初めて開催する展示会で、2日間で約100社の最新ツールを知ることができる。出展社は、国内のユニコーン企業といわれるSpiberのほか、テラスカイ、MI-6、CINC 、ギャプライズ、Avintonジャパン、SUPER STUDIO、Marketing-Roboticsなど。各社3分間ずつ自社の製品・サービスを紹介する。 ●主催:インフォマート ●日時:2021年1月6日(水)、7日(木)各日とも 13:00~16:00 ●料金:無料
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