AppsFlyer Japan カントリーマネージャーの大坪直哉氏がアプリマーケティングの視点で消費の実態を分析するこの連載。今回は2020年10月にアプリをアップデートした大手回転すしチェーン「スシロー」の戦略に迫る。アプリの大幅なスペック改良や大胆なレイアウト変更の背景には、ユーザーとのエンゲージメント強化の狙いがあった。その手法を解説する。
マーケティングの主戦場はウェブサイトからアプリへ
日本のモバイルアプリの利用人数や使用時間が年々増え続けている。ニールセン デジタルの調査によると2019年のスマートフォンの利用時間の割合は、ブラウザーが8%に対してアプリは92%と圧倒的に長い。また20年1~9月には8500万件のアプリがインストールされた(AppsFlyer調べ)。こうした勢いを受け、20年の企業によるモバイル広告の支出規模も1.2兆円に上り、その支出は今後も増加が予想されている(eMarketer調べ)。
アプリの普及が右肩上がりの状況では、どんな業種でもアプリマーケティングの導入が欠かせない。企業はユーザーにアプリをダウンロード(DL)してもらい、インストールにつなげた時点で、競合他社に対して大きなアドバンテージを得ることになる。アプリはユーザーが肌身離さず携帯するスマホに自社情報やサービスを直接届ける窓口となり、時間と場所を問わず寄り添い続けられるからだ。
しかしさまざまなアプリが氾濫する今日、自社アプリをインストールしてもらうのは至難の業。アプリをインストールしてもらうには一体どうすればいいのか。そこで今回は順調にアプリ会員数を伸ばしているスシローを例に、ユーザーをアプリのインストールまで誘導する手法について解説する。
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