新規事業の成功者を導いた6冊 『はじめの一歩』のあの名言も(画像)

マーケティング分野で活躍する仕事人10人がお薦めの本を紹介する本企画。今回は蔦屋家電エンタープライズの木崎大佑氏と、ONE・GLOCAL代表取締役の鎌田由美子氏がそれぞれ厳選した3冊を紹介する。「蔦屋家電+(プラス)」やJR東日本のエキナカ事業といった新規事業を成功に導いたリーダーが選んだのは、実践的なビジネス書ではなく、仕事観・人生観、自己と自然・食との関わりについての名著だった。

【この記事で紹介する書籍】
『仕事は楽しいかね?』
『夜と霧 ドイツ強制収容所の体験記録 新装』
『はじめの一歩』83巻
『センス・オブ・ワンダー』
『食の終焉 グローバル経済がもたらしたもうひとつの危機』
『キレイゴトぬきの農業論』

前回(第3回)はこちら

木崎大佑氏、お薦めの3冊


蔦屋家電エンタープライズ 商品部 商品企画Unit 新規事業Team Leader
学校卒業後、家電量販店にて店舗・本社勤務を経験し、2013年にカルチュア・コンビニエンス・クラブに入社。企画段階から二子玉川 蔦屋家電の立ち上げに携わる。19年に次世代型ショールーム蔦屋家電+(プラス)をプロデュース
詳しいプロフィル


大切なのは「チャレンジする勇気」

『仕事は楽しいかね?』
デイル・ドーテン(著)、野津智子(訳)/きこ書房、2001年
1430円(税込み)

 大雪で空港に閉じ込められたサラリーマンが謎の老人と出会い、一晩限りの講義を受けるというあらすじ。仕事観や人生観について、より幅広い視点を持つためのアドバイスがたくさん盛り込まれている。

 この本で学べることは「チャレンジする勇気を持つことの大事さ」ではないか。ビジネス書でありながら、自己啓発的な内容を含む本書ではあるが、実は絵本のようにライトに読み進められる。新入社員からベテラン社員まで学びの多い内容だと思う。気持ちの良い読後感が自分の心に今でも残り続けている本である。

強制収容所の体験が示唆する仕事観・人生観

『夜と霧 ドイツ強制収容所の体験記録 新装』
ヴィクトール・E・フランクル(著)、霜山徳爾(訳)/みすず書房、1985年
1980円(税込み)※新たな訳者で新編集した『夜と霧 新版』(みすず書房、税込み1650円)もある

 ユダヤ人である著者(ヴィクトール・E・フランクル)がナチスの捕虜として強制収容所へ送られ、壮絶な環境の中で「生きる意味」を探していた実体験がつづられている。

 著者は心理学者・精神科医だったので、一般の収監者とは違った視点でこの歴史的事件を語っていく。正直、内容は重く、暗い……。決して読み終わった後にハッピーな気持ちにはならないだろう。しかし、極限状態の人間の心理、行動、幸福の基準など、今の自分たちには到底想像もできない体験は仕事観や人生観に多くの学びを与えてくれると思う。『仕事は楽しいかね?』と同様に、この本もずっと心に残り続けている1冊である。

「オンリーワン」――僕に勇気をくれた言葉

『はじめの一歩』83巻
森川ジョージ/講談社コミックス、2008年
472円(税込み)

 他の皆さんが『キングダム』を推薦してくると思ったので少し外しました(笑)。

 週刊少年マガジンで連載中の『はじめの一歩』は、いじめられっ子だった主人公がある人との出会いをキッカケにボクシングの才能を開花させ、チャンピオンへと成長していくスポーツ漫画。数々の名言でも有名だ。僕が特に好きな言葉は以下の通り。ちょっと長いが引用する。

 「厳しい世界に生きる人間は例外なくいつもふるいにかけられているようなものだ
 ガシャガシャとかき回され網の目から小さくて丸い石ころはこぼれ落ちていく
 デカイ石は当然落ちない
 プロの世界に居座り生き残り続ける

(中略)

 もう一つ落ちない種類の石がある!
 それは――
 網の目よりも小さいかもしれないが引っ掛かって落ちない
 尖った石だ!」
(『はじめの一歩』83巻「Round793:石[さいのう]の形」より)

 僕はこの言葉からだいぶ勇気をもらった。俗にいう「ナンバーワンでなくてもオンリーワンになれば十分に勝機がある」ということだ。製品やサービスを開発するときはもちろんだが、人生において自分の価値を見つけていくうえでも、今の時代にとりわけ必要な考え方だと思う。

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