テレビCMの未来

テレビCMの効果がデータ化されてデジタル広告に近づくと、クリエイティブはどう変わっていくのか。au「三太郎シリーズ」やトヨタイムズ、アタックゼロなど話題のCMを数多く手掛けているクリエイティブディレクターの篠原誠氏に聞いた。

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 テレビCMの今とこれからを追う本特集。第1回ではラクスルのテレビCM効果最適化サービス「ノバセル」を紹介した。効果がデータで見える化されてデジタル広告に近づくと、テレビCMのクリエイティブはどう変わっていくのか。au「三太郎シリーズ」やUQモバイル、家庭講師のトライ、トヨタイムズ、アタックゼロなど話題のCMを数多く手掛けているクリエイティブディレクターの篠原誠氏に聞いた。

篠原 誠 氏
クリエイティブディレクター
一橋大学卒業後、1995年に電通入社。2018年に篠原誠事務所設立。CM好感度ランキング1位を獲得し続けるau「三太郎シリーズ」をはじめ、UQ 、家庭教師のトライ、エステー、湖池屋、JT、マクドナルド 、トヨタイムズ、アタックゼロ、キリン一番搾りなど数多くの広告を手掛ける

今回の「テレビCMの未来」特集をやろうと思ったきっかけの1つとして、ラクスルが「ノバセル」というテレビCM効果最適化サービスを始めたことがあります。これまで測定が難しかったテレビCMの効果をちゃんと可視化して、効率を上げていくと。テレビCMを制作している立場からこういう取り組みをどう見ていますか。

篠原誠氏(以下、篠原) 僕はラクスルさんの取り組みは面白いなと思っていて、どんな結果が出るのか、効果測定精度がどの程度なのかが気になります。

 就職したとき、クリエイティブに対してよりも、マーケティングに興味がありました。僕にとってマーケティングの醍醐味は、仮説を立ててそれが正しいかどうかを検証しながら精度を上げていくところでした。この仮説がまさにアイデアですね。そのアイデアが正しければ、モノやサービスが売れる。それがしびれるほど好きです。

 テレビCMの効果分析はこれまでもさまざまな指標を使って実施されていますが、厳密には難しいです。好感度は何位だとか、購入意向はこれくらい増えましたといったことは調査で分かりますが、それが売り上げに完全にリンクしているかまで突き詰めるのは難しい。だから、僕がいつも気にしているのは調査結果よりも、その売り上げの数字自体です。そこには嘘や間違い、バイアスがないので。

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