
天気予報アプリを展開するウェザーニューズはアプリ利用者拡大を狙い、2019年からテレビCMの放送を開始した。同社が用意する広告パターンは121種。それを天気予報に基づいて出し分けるなど、まるでネット広告のようにテレビCMを運用。デジタルマーケティングで培ったノウハウを総動員して効果を高めている。
「テレビCMを放送しようと検討し始めたのは約2年前。デジタルマーケティングだけでアプリの利用者を獲得することに限界を感じていた」
テレビCM放送に踏み切った理由について尋ねると、ウェザーニューズ執行役員モバイル・インターネット気象事業主責任者の石橋知博氏はこう切り出した。テレビCMで訴求するのは、天気予報アプリ「ウェザーニュース」だ。2019年にテレビCMの放送を開始。ネット広告運用をすべて内製化している強みを生かし、データを活用してテレビCMも自社で効果測定やクリエイティブの差し替えといった運用を手掛ける。1年間でCPI(インストール獲得単価)は約30%減少し、獲得効率が向上。アプリのダウンロード件数は2000万を超え、順調に利用者数を拡大している。
ウェザーニューズがテレビCMの放送を決めた背景には、アプリの戦略転換が関わっている。従来は有料会員から取得する月額利用料が主な収益源だったが、アプリ利用者の増加に伴い、広告媒体としても成立する規模になった。そこで、月額会員と広告モデルの両輪とする事業モデルに方針を変えた。戦略転換に伴い、媒体としての価値を高めるため、アプリ利用者数の規模を追うことが目標になった。
戦略転換後も、効果がより可視化しやすいネット広告を中心に利用者を獲得してきた。ウェザーニューズはアプリの開発・運用だけでなく、広告運用もすべて自社で内製化している。「アプリ、Webサイト問わず、利用率を上げるにはデータを活用した改善やコンテンツ制作は避けて通れない。エンジニアが広告も運用できる体制を敷いている」(石橋氏)。
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