
「G-SHOCK」の生みの親
人の心を動かすモノを“創る人”たちは、そのとき何を考えて、どこまで先を見通していたのか。モノを創る奥底には何があるのか。才能なのか、コンプレックスなのか、あるいは……。生い立ち、なぜその職業を選んだのか、転機、哲学――。音楽、写真、広告、ファッションなど、様々な世界で時代を動かした伝説のクリエイターたちを丹念なインタビューで描く人物ルポルタージュ。今回は世界で累計1億個以上を売り上げたタフな腕時計、カシオ計算機「G-SHOCK」を生み出した技術者、伊部菊雄。
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第4回2020.09.09ついにG-SHOCK完成 カシオへの恩を貫き通すG-SHOCK開発で窮地に立たされていたカシオ計算機の伊部菊雄。突破口へ導いたのは公園で遊んでいた子どもたちの風景だった。何とか発売にこぎ着けたものの市場で認められるには長い年月が必要だった。爆発的ヒットから「メタルG」誕生までのストーリーに迫る。G-SHOCK開発秘話の最終回。
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第3回2020.09.03G-SHOCKと苦悩 辞表提出まで追い込まれた窮地で得たひらめき新技術・新商品提案書に書いた、たった一行の新企画、『落としても壊れない丈夫な時計』を開発するため、カシオ計算機の伊部菊雄は衝撃実験を行うことにした。しかし、締め切り間際になっても課題が解決できず、追い込まれた伊部は辞表提出も覚悟した。G-SHOCK開発の過酷な真実、第3話。
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第2回2020.08.26G-SHOCK開発の糸口は、父がくれた高級時計の「ばらばら事件」苦境の就職活動の中で手を差し伸べてくれたカシオ計算機に入社した伊部菊雄。デジタル時計の新事業が始まって間もないころ、伊部が直面した“新参者”の壁とは。G-SHOCK開発の糸口となる父からの贈り物だった高級時計が導いたあるひらめきとは……。G-SHOCK開発の裏側に迫る第2話。
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第1回2020.08.19G-SHOCKへの足掛かり カシオとの縁は苦境の中の「くもの糸」人は年齢を重ねる中で、軽重はあれど自らに課す“掟(おきて)”を持つものだ。それを破ればもっと要領よく生きて行けると逡巡すれど、「過去の自分を否定できない」と守り続けるような、決まり事である。G-Shock生みの親、カシオ計算機の伊部菊雄がそれを見つけたのは、高校卒業後の浪人生活でだった。