
地域観光の人気コンテンツとして、各地で開催されているスタンプラリー企画。これをデジタルに置き換え、かつ人の密集を防ぐ形で運用できるサービスが始動している。2019年創業のスタートアップ、ボールドライト(東京・新宿)が展開する「プラチナラリー」だ。その仕組みとは?
全国で新型コロナウイルスの感染拡大傾向が見られる中、大打撃を受けているのが観光業界。そんな苦境を救う、withコロナ時代に感染リスクを抑えた1つの観光ソリューションとして脚光を浴びそうなのが、デジタルスタンプラリーの「プラチナラリー」だ。
これは、地図を活用したサービスアプリなどを開発するボールドライトが、2020年6月30日から提供を始めたサービス。同社が提供する地域の観光マップなどをデジタル化するサービス「プラチナマップ」をベースとし、任意の観光スポットをスタンプラリー拠点として登録、スマートフォンなどから利用可能なWebサービスとして展開できるものだ。
従来、主に紙ベースで実施されてきたスタンプラリーは、プラチナラリーを監修した日本スタンプラリー協会によると、地域周遊施策として年間約1500件も開催されている“不動”の人気観光コンテンツ。これをプラチナラリーは紙を必要としないデジタルに置き換えたわけだが、それだけではない。デジタルのタッチポイントを設けることで人の移動や周遊状況を可視化し、いわゆる3密(密閉・密集・密接)を避けたスタンプラリーの運営も可能にしているのだ。
この点は、特集第3回で紹介した、飲食店などの混雑データに特化したポータルサイト「VACAN(バカン)」の取り組みと近いものがある(関連記事「混雑データが変える人流 街の『密』を丸ごと可視化」)。プラチナラリーの利用対象は主に自治体や各地の観光団体で、ボールドライトにはサービス開始から既に全国から約40の自治体などからの問い合わせが舞い込んでいる。まずは通常のデジタルスタンプラリーとしての導入だが、島根県全域で開催される「しまねっこ10周年記念企画 しまね観光モバイルスタンプラリー」(20年8月9日~11月30日)で初めて採用される。
自在にカスタマイズできるデジタル観光マップがベース
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