防災食準備に欠かせないのが、水もコンロもない状態で食べられる食品だ。吉野家の味をいつでも食べられる缶詰、など普段から食べたくなるおいしい防災食を紹介。「ローリングストック」の考え方で備蓄するのがいい。

※日経トレンディ2020年8月号の記事を再構成

 万が一の事態に備え、水なしで食べられる食品もレパートリーに加えておくと、より安心だ。吉野家の「缶飯 牛丼」は牛丼の具だけでなく米まで入り、缶詰で牛丼を再現している。避難生活中も“いつもの味”を食べることのできる貴重な存在だ。開封したらかけるだけでいいカレー「常備用カレー職人」はそのままでも十分おいしく食べられるが、温めれば通常のレトルトカレーとほとんど変わらないため日常的にも使いやすい。

 同居家族に高齢者やアレルギーを持つ人がいる場合は、誰でも安全に食べられるユニバーサルの視点も非常食選びで必要になる。かみやすい、減塩、アレルゲン不使用など、その人の状況に応じたメニューを準備しておきたい。「容易にかめる」「歯ぐきでつぶせる」といった硬さの主食になるお粥や、アレルギー物質28品目を使わずに作った「アルファ米 ごはんシリーズ」など、バリエーションも増えてきている。

 ライフラインが止まると、冷蔵保存が必要な生野菜を食べる機会もおのずと減る。カゴメの「野菜スープ」と「野菜一日これ一本 長期保存用」は、食物繊維やビタミンなどの栄養素を摂ることができ、野菜不足の生活で重宝する。野菜ジュースはアルファ米を戻すのにも使えて用途の幅が広い。

 避難生活において、食事は数少ない楽しみな時間の一つだ。甘いものでほっとする時間を設けるのも避難生活を乗り切る上で役立つ。「実際被災した人に聞くと、どの支援物資もありがたかったが実は甘いものを食べたかったという声があった」(岡本氏)。ワンテーブルの「LIFE STOCK」はゼリー飲料で手軽にカロリーを補給することができ、食欲のないときや、固形物を食べるのが難しい高齢者の間でも重宝されているという。井村屋の「えいようかん」も、優しい甘さで人気の逸品だ。ミニサイズのようかんで、普段からおやつとしておいしく食べられる。

 いくら普段の食事に取り入れるからといっても、その保管場所には困ってしまいそうだが、「ローリングストックは普段使いの食品を災害時にも活用する方法のため、防災食の保管スペースを新たに確保する必要はない」(岡本氏)という。備蓄食をまとめて一カ所に置いておいた場合、建物の倒壊やドアの変形などによってその部屋に入れなくなる事態も想定されるからだ。ちょっとした隙間に少量ずつ、分散して置いておくのが賢いやり方になる。

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