「カツマー」と呼ぶ熱狂的ファンを生んだことでも知られる勝間和代氏は、ここ数年は「家事」の世界にイノベーションを起こそうとしている。特に力を入れる料理でも最先端を行く。勝間氏の考える「おいしく」「効率的で」しかも「健康的な」食事を自宅で作るための料理メソッドと、それを実現するための究極のキッチンデザインについて話を聞いた。

※日経トレンディ2020年7月号の記事を再構成

 経済評論家の勝間和代氏は、新型コロナウイルスの感染拡大で巣ごもり生活が続いた日々に、ここぞとばかりに自炊の腕を磨いた。この数カ月で料理のレパートリーが一気に増えた様子は、以前から料理を投稿している「インスタグラム」の内容からもうかがい知ることができる。

勝間和代氏。経済評論家。1968年東京生まれ。慶応大学商学部卒。3月に「ラクして おいしく、太らない! 勝間式超ロジカル料理」(アチーブメント出版)を上梓
勝間和代氏。経済評論家。1968年東京生まれ。慶応大学商学部卒。3月に「ラクして おいしく、太らない! 勝間式超ロジカル料理」(アチーブメント出版)を上梓

 勝間邸のキッチンを拝見させてもらうと、意外な事実に気付く。鍋やフライパンが一切置かれていないのだ。代わりに目に飛び込むのは、ずらりと並んだ最新の調理家電群。勝間流の料理では火をほぼ使わない。

勝間邸のキッチンの様子(その1)
勝間邸のキッチンの様子(その1)
1.ヘルシオ ホットクック(シャープ) 2.自動圧力IHなべ 煮込み自慢(象印マホービン) 3.食器乾燥機(象印マホービン) 4.オムレツメーカー(ドウシシャ) 5.エコフレッシュケース(フカダック)
電気調理鍋は2メーカーの製品を2台ずつ使っている。メインで使うのは「ヘルシオ ホットクック」で、蒸し料理と煮込み料理で活用する。併用する象印マホービンの製品は、炊飯器としても活躍(上)。水切りカゴの設置スペースに置かれているのが食器乾燥機。洗いものが多くても放り込んでおくだけで乾くので、食器を片付ける際のストレスから解放された(下左)。他にも、食べ残ったパンを真空保管するケースや、ヘルシオでは作れないオムレツを作るためのメーカーもそろえている(下中)。パナソニックのホームベーカリーで天然酵母と全粒粉を使ったパンもよく自宅で焼いている。パナソニックの製品を使うのは、「天然酵母コース」があるため。レーズンやナッツを入れることも(下右)
電気調理鍋は2メーカーの製品を2台ずつ使っている。メインで使うのは「ヘルシオ ホットクック」で、蒸し料理と煮込み料理で活用する。併用する象印マホービンの製品は、炊飯器としても活躍(上)。水切りカゴの設置スペースに置かれているのが食器乾燥機。洗いものが多くても放り込んでおくだけで乾くので、食器を片付ける際のストレスから解放された(下左)。他にも、食べ残ったパンを真空保管するケースや、ヘルシオでは作れないオムレツを作るためのメーカーもそろえている(下中)。パナソニックのホームベーカリーで天然酵母と全粒粉を使ったパンもよく自宅で焼いている。パナソニックの製品を使うのは、「天然酵母コース」があるため。レーズンやナッツを入れることも(下右)

 「理由は、輻射(ふくしゃ)熱を使う調理家電なら正確な温度制御が可能で、しかも全方位から温めるので焼き加減も安定して失敗しにくいから」。

 約10年前から様々な調理家電を試してきた勝間氏だが、ここ数年の製品は特に温度センサーの性能向上が著しく、今が買い時だとも話す。

 興味深いのは、加熱蒸気で調理ができる「ウォーターオーブン ヘルシオ」(シャープ)が2台、材料を入れてボタンを押すだけでほったらかし料理が可能な電気調理鍋は「自動圧力IHなべ 煮込み自慢」(象印マホービン)など4台も置かれていること。「ガスコンロが複数口あれば便利なように、料理家電も複数台あれば“火加減”を変えた料理を同時並列で作れる」。

勝間邸のキッチンの様子(その2)
勝間邸のキッチンの様子(その2)
6.ウォーターオーブン ヘルシオ(シャープ) 7.Media Pad(ファーウェイ) 8.Google Home(グーグル)
ホットクックと並んで勝間流で重要な役割を果たすのが「ウォーターオーブン ヘルシオ」だ。最初から最後まで過熱水蒸気だけで調理できるシャープの独自製品で、蒸すと焼くを同時にこなせる。低温調理に対応している点もお気に入りの理由だ
ホットクックと並んで勝間流で重要な役割を果たすのが「ウォーターオーブン ヘルシオ」だ。最初から最後まで過熱水蒸気だけで調理できるシャープの独自製品で、蒸すと焼くを同時にこなせる。低温調理に対応している点もお気に入りの理由だ

 例えば3月21日に作った「春菊としめじと鶏肉のホワイトソースあえ」では、春菊としめじを1台のヘルシオで蒸し、もう1台のヘルシオで鶏肉を焼き、その間に「ヘルシオ ホットクック」でホワイトソースを作るといった具合に料理を並列で進めて完成させた。

 こうしたことから、ビルトインのIHコンロの出番はほとんどない。ガラストップの特徴を生かして、そこで野菜をカットしたり、出来上がったオーブン皿を置いたりするスペースとして使っているだけである。

この記事は会員限定(無料)です。

有料会員になると全記事をお読みいただけるのはもちろん
  • ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
  • ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
  • ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
  • ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー
ほか、使えるサービスが盛りだくさんです。<有料会員の詳細はこちら>
1
この記事をいいね!する

日経トレンディ6月号

【最新号のご案内】日経トレンディ 2023年6月号
【巻頭特集】10大トレンド予測
【第2特集】2023年上半期ヒット大賞&下半期ブレイク予測
【第3特集】公共料金の裏ワザ
【SPECIAL】影山優佳インタビュー
発行・発売日:2023年5月2日
特別定価:750円(紙版、税込み)
Amazonで購入する