これまでレビューしてきたグッズは数知れず。AV機器に造詣の深い評論家の折原一也氏の自宅リビングを訪れると、選び抜かれた3つのグッズがあった。コスパを重視しながら、最小限のグッズでエンタメを最大限に楽しむ。AV機器選びのポイントに迫った。
※日経トレンディ2020年7月号の記事を再構成
キッチンから書斎までつながる開放的な構造。30畳の数字以上に広々と感じさせる空間でいて、効果的に配されたモネなどの絵画や観葉植物と、レンガにコンクリート打ちっぱなし風と向きによって雰囲気の異なる壁が、美術館やスタジオのような温かみを醸し出す。AV評論家の折原一也氏が夫人と共に設計からこだわり抜いた、自慢の新居のリビングだ。

効果的に入れたインテリアだが、数は最小限に抑えられている。特にメインの家電はテレビ、レコーダー、スマートスピーカーだけ。15年以上にわたって無数のデジタル家電をレビューしてきた折原氏の家には、さぞマニアックな商品がずらりと並んでいることだろう――という予想は見事に裏切られた。ただ、それは豊富な知識に裏打ちされているからこそできる、モノの数をあえて最小限に抑えるという「逆転の発想」だった。
「リビングでのエンタメはテレビ番組や映画など映像系と音楽。趣味として画質や音質を極めるのも確かに楽しいが、こだわるとキリがない。コスパも重視したい。欲しい機能を最小限の点数で網羅し、かつ質に満足できる商品だけを使っている」(折原氏)。
その言葉通り、選ばれた3商品はベストバイと呼ぶにふさわしい。ひときわ存在感のある65型の大画面テレビは、東芝の4Kレグザ Pro「65X930」。
「テレビは東芝製品から離れられない」と言う決め手が、録画予約をせずに、過去の番組を見られる「タイムシフトマシン」機能だ。「放送時間に縛られず、好きな番組をすぐに探して見られる。言葉で聞く以上に、この生活を体験してみると便利で、離れられなくなる」(折原氏)。
液晶テレビに比べて高額な有機ELテレビを選んだ理由も明快だ。冒頭のように、テレビに向かって横長というリビングの特性を踏まえ、「有機ELは液晶と比べ、ただ画質が良いというだけでなく、どの角度からでも画面が鮮明に見える特徴がある。このリビングには最適。約35万円したが、納得の買い物だった」(折原氏)と言う。
折原さんが選ぶAV機器(1)
この記事は会員限定(無料)です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー

【最新号のご案内】日経トレンディ 2023年6月号
【巻頭特集】10大トレンド予測
【第2特集】2023年上半期ヒット大賞&下半期ブレイク予測
【第3特集】公共料金の裏ワザ
【SPECIAL】影山優佳インタビュー
発行・発売日:2023年5月2日
特別定価:750円(紙版、税込み)
■Amazonで購入する