買い物やサービスの利用などで得られるポイントには、それぞれ多様な使い道がある。そして中には、現金に“換える”ことが可能な場合もある。現金化できれば、利用場所や使い方の自由度は飛躍的に高まる。今回は4大共通ポイント(楽天ポイント、dポイント、Tポイント、Pontaポイント)およびLINEポイントの現金化の方法について解説していく。
楽天ポイント
楽天ポイントには、通常ポイントと期間限定ポイントの2種類がある。このうち通常ポイントに限り、楽天証券での投資信託の購入代金に充当ができる。
そこで、ポイントを使って投信を買い、その後に売却することで現金化が可能となる。受け取った売却代金を、証券口座から銀行口座に出金すればいい。購入時・売却時の手数料がゼロのノーロード投信なら、換金コストもかからない。
ただし、購入から売却まで最短でも1日の期間が必要なため、その間の価格変動リスクを負うことになる。国内債券インデックス型投信のような、値動きが小さい投信を選ぶのがいいだろう。
楽天ポイントによる投信の購入には、楽天会員のステージに応じて以下のような利用ポイント数の上限があるので気をつけたい。
【ダイヤモンド会員の場合】
・スポット購入:1注文当たり50万ポイント
・積み立て注文:1日当たり50万ポイント
・1カ月当たり50万ポイント(他の楽天グループでの利用も含む)
【その他の会員の場合】
・スポット購入:1注文当たり3万ポイント
・積み立て注文:1日当たり3万ポイント
・1カ月当たり10万ポイント(他の楽天グループでの利用も含む)
楽天ポイントには期間限定ポイントもあるが、こちらは残念ながら手軽な現金化ルートが存在しない。強いて言えば、「楽天市場」で商品券やギフトカードをポイント利用で購入し、金券ショップで売れば現金は手に入る。ただし手間がかかるうえ、換金レートも悪くなるためお勧めしない。
dポイント
dポイントの現金化にも、投資サービスが有用だ。dポイントには通常ポイントと期間・用途限定ポイントがあるが、どちらも利用できる。dポイントが使える投資サービスは主に2つある。
1つ目は「日興フロッギー」(SMBC日興証券)だ。100円から金額を指定して株が買えるサービスで、その購入代金にdポイントを充当できる。100万円以下の注文なら、購入時の手数料は無料。売却時に約定代金の0.5%の手数料がかかる。
株の売買により、理論上は99.5%のレートでdポイントの現金化が可能だ。1注文当たり3万ポイントまで利用できる。
ただし、日興フロッギーは購入から売却までに最短でも半日はかかる仕様のため、その間の株価変動リスクを負うことになる。なるべく値動きが小さい銘柄を選ぶのがよく、個別株の他にETF(上場投信)も選択肢になる。
少し手間だが、手数料を節約する方法もある。買う銘柄の株数が単元株数(個別株は基本100株)に達している場合、「単元株」に振り替えられる。単元株化してからSMBC日興証券のオンライントレードで売却することにより、手数料を抑えられるのだ。
オンライントレードでの単元株の売買手数料は、約定代金10万円までなら137円(税込み)。10万円分の株を日興フロッギーで売却すると500円(同)の手数料がかかるので、単元株に振り替えるとコストをその分節約できる。
dポイントが使えるもう1つの投資サービスは、大和証券系列の「CONNECT」だ。単元未満株の売買が可能な「ひな株」サービスで、購入代金にdポイントを充てられる。
ひな株は売買手数料は無料だが、売買時の価格にスプレッドと呼ばれる差額が発生する。購入時に0.5%のスプレッドが株価に上乗せされ、売却時には0.5%が差し引かれる。実質的には売買で合計1%のコストがかかり、理論上は99%のレートでdポイントを現金化できる。
取引時間中はリアルタイムで売買可能で、購入後すぐに売るなら株価変動リスクは小さい。購入時は現金決済でまず注文したうえで、注文完了時または約定後にポイント充当の操作を行う。
またCONNECTでは、投信を毎日積みて立てられる「まいにち投信」というサービスもあり、やはりdポイントを購入代金に充当できる。ポイントを利用するには、発注済みまたは約定中の注文に対して、5時30分(日曜日は7時)~19時(土日祝日は27時30分)にポイントの充当操作を行う必要がある。
ポイントの使い方に一癖あるが、値動きが小さいノーロード投信を売買すれば、ひな株を使うよりいいレートで現金化できるだろう。
なお、CONNECTにおける利用ポイント数は月3万ポイントが上限となっている。ちなみに同サービスでは、Pontaポイントも同じように投資に利用できるが、後述するようにPontaポイントにはより手軽な換金ルートがあるので、そちらを使う方が得策だ。
TポイントはSBI証券で、Pontaポイントはau PAYで現金化
Tポイント
Tポイントは、SBI証券で投信の購入代金に充当できる。やはり、値動きが小さいノーロード投信などを売買することで現金化が可能だ。1注文当たりの利用ポイント数は9999万9999ポイントまでと、実質的に上限はないといえる。
またSBI証券では、Pontaポイントも同じように投信の購入に利用できるが、Pontaポイントの現金化は次に紹介する方法がより手軽だ。
Pontaポイント
Pontaポイントは、ポイント投資を使わなくても現金化が可能となっている。Pontaポイントは1ポイント=1円として、スマホ決済の「au PAY」の残高にチャージできる。このau PAY残高は、auじぶん銀行に払い出しが可能だ。
都度操作の払い出し(手動払い出し)では手数料がかかるが、au PAYの自動払い出し機能を利用すれば、手数料ゼロでauじぶん銀行の普通預金口座に現金として払い出せる。価格変動リスクがなく、ポイントを確実に等価で現金化できるのが利点だ。
auじぶん銀行の口座を持っていない場合は、前述のようにCONNECTやSBI証券で株や投信の購入代金にPontaポイントを充当する方法がある。また、auカブコム証券でも投信の購入にPontaポイントを利用できる。
LINEポイント
最後はLINE関連サービスの利用でたまるLINEポイント。こちらも、株や投信を購入することなく現金化できる。必要なのは、LINE証券の口座だ。
スマホ決済の「LINE Pay」で証券口座に入金する機能を使い、LINEポイントを1ポイント=1円換算でLINE証券に入金して、現金化が可能だ。この際に手数料はかからない。
以上、主要なポイントの現金化について解説してきた。Pontaポイントを除く4つではネット証券や投資サービスの口座が必須であり、すべての現金化ルートを確保するのはハードルが高いかもしれない。まずは自分に合った1つ、2つのルートを試してみるといいだろう。
(画像は各サービスのサイト、アプリから)

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