総合スーパーマーケットの2強であるイオンとイトーヨーカドー。全国各地に店舗があり、食品や衣料品、日用品などの買い物で普段よく利用している人も多いだろう。お得に買える日やアプリ、クーポン、支払いテクニックなど、両店の上手な活用術を解説する。
イオン
イオンにおいて最も分かりやすくお得になる日は、毎月20日と30日に実施される「お客さま感謝デー」だ。イオンマークの付いた各種カードの利用または読み取り、イオン銀行キャッシュカードの読み取り、電子マネーWAONでの支払いで、食品や衣料品、日用品が5%オフになる。
WAON以外で割引が適用される支払い方は、イオンマークの付いたクレジットカード、イオンiDでのクレジット払い、イオンデビットカード、イオングループ発行の商品券、イオンギフトカード、そして現金だ。イオンカードを登録したイオンペイ払いも対象となる。たばこや切手、印紙、商品券など割引除外品がある点には注意したい。
55歳以上の人なら、毎月15日開催の「G.G感謝デー」でも5%オフになる。55歳以上の会員のイオンカードや、55歳以上が発行できるG.G WAON、G.Gマーク付きイオンカードなどでの支払いで割引が適用される。G.GマークがないWAON一体型イオンカードでも、事前にWAONステーションでG.G感謝デー対象WAONカードへの変更手続きをすることで、WAONでの支払いが5%オフの対象となる。
毎月10日には、「ありが10デー」が実施されている。こちらはポイント還元が基本の5倍となる。適用対象はイオンカードやWAONによる支払い、WAON POINTカードを提示したうえでの現金などによる支払いだ。通常200円(税込み)ごとに1ポイントのところ、5倍の5ポイントが付与されるため、2.5%還元。イオンではイオンカードとWAONでの支払いでいつでもポイント2倍になる特典があるが、残念ながら、ありが10デーの5倍との重複はされない。
クーポンやキャンペーンも見逃せない
スマホで利用できる「イオンお買物アプリ」では、様々なクーポンが日々配布されているので活用したい。お気に入り登録している店舗のチラシも確認できる。九州地区のイオンの場合は、「イオン九州公式アプリ」をインストールしよう。
また、ニュースアプリ「スマートニュース」のクーポンタブも要チェック。種類は公式アプリに及ばないものの、常時何かしらのイオンのクーポンが配布されている。
クレカのイオンカードを持っていると、イオンで得する機会が増える。代表的なのは、不定期に開催されるポイント10倍キャンペーンだ。イオンカードで支払うと、通常200円(税込み)ごとに1ポイントのところ、10倍の10ポイントが獲得できる。還元率は5%だ。開催頻度は結構高いので、狙い目になる。
さらにイオンカード保有者は、「サンキューパスポート」を毎月獲得できる。これはレジで提示し、イオンカードで支払うと割引が適用されるクーポン。対象期間中の都合いい1日を選んで利用できるので便利だ。商品により5%または10%の割引が受けられる。注意点として、食品は割引対象外となっている。
サンキューパスポートは、イオンカード公式アプリ「イオンウォレット」で受け取り可能。イオンウォレットを利用していない場合は、イオン銀行ATMで発券できる。
また誕生月には、同じ要領で「バースデーパスポート」が利用できる。都合のいい1日に5%または10%の割引が受けられる点はサンキューパスポートと同じだが、こちらは食品でも適用される。
なお、どちらのパスポートも、お客さま感謝デーの5%オフなど他の割引特典との併用はできないので注意したい。
お得度が一段とアップする株主優待カード
「オーナーズカード」は、イオンの株式を100株以上保有していると発行される株主優待カード。イオングループの対象店で買い物をする際に、オーナーズカードを提示するとキャッシュバックが受けられる。持ち株数が100株以上で3%、500株以上で4%、1000株以上で5%、3000株以上で7%のキャッシュバックとなる。
適用対象となる支払い方は、イオンマークの付いたクレカやWAON、現金など、お客さま感謝デーの対象の支払い方と基本的に同じ。そしてオーナーズカードは、お客さま感謝デーやサンキューパスポートなどと併せて特典が受けられるのがうれしいポイントだ。
決済方法では、利便性を向上しつつ、ポイントの二重取りを可能とするのが、イオンカードセレクト(イオン銀行のキャッシュカード、イオンカード、WAONが一体になったクレカ)でのWAONのオートチャージだ。オートチャージとは、カード搭載のWAONの残高が設定金額未満になると、自動的に入金(チャージ)される機能。
同カードの場合、オートチャージの利用で200円ごとにWAONポイントが1ポイント付与される(チャージ額はイオン銀行普通預金口座から引き落とされる)。そのWAONで支払えば、基本のポイント還元率1%(イオングループ店舗の場合)に、オートチャージ分の0.5%が上乗せされて、計1.5%還元となる。WAONに手動でチャージする手間も省けるので便利だ。
また、WAONは2021年10月にApple Payに対応した。これにより、Apple Payに設定したクレカやデビットカード、プリペイドカードなどからWAONにチャージが可能となっている。対象ブランドはJCB、Mastercard、アメリカン・エキスプレス。WAONへの直接チャージだとポイント付与対象にならないクレカが多いが、プリペイドカード(au PAY プリペイドカードなど)を経由することで間接的にクレカの還元を得られる場合がある。中級者以上向けの手法だが、実践する価値はあるだろう。
イトーヨーカドーは8が付く日に5%オフ 公式アプリも必携
イトーヨーカドー
イトーヨーカドーでお得に買い物ができる日は、毎月8の付く日に開催される「ハッピーデー」だ。金券類やたばこなど一部対象外品を除き、ほぼ全品が5%オフになる。適用対象の支払い方は、セブンカード・プラス、セブンカードのクレジット決済またはカード提示での現金決済、電子マネーnanacoでの全額決済、クラブ・オン/ミレニアムカード セゾンのクレジット決済。イトーヨーカドーの公式アプリでバーコードを提示したうえでの現金決済も5%オフの対象になる。
またハッピーデーでは、nanaco残高のチャージでnanacoポイントがもらえるキャンペーンもよく実施されている。nanacoに現金チャージするなら、ハッピーデーに行うようにしよう。
60歳以上であれば、毎月15日と25日もほぼ全品が5%オフとなる。60歳以上の人が発行・切り替えできるシニアナナコカードが必要だ。シニアナナコで全額決済、またはシニアナナコ提示のうえ、nanacoで全額決済、セブンカード・プラス、セブンカード、クラブ・オン/ミレニアムカード セゾンでクレジット決済の場合に割引の対象となる。
イトーヨーカドーアプリでは、アプリ限定クーポンが配布されているほか、会計時にバーコードを提示するとポイントがたまる「セブンマイルプログラム」もある。200円(税別)ごとに1マイルが付与され、50マイルを1口として50nanacoポイント(50円相当)に交換できる。セブンマイルは他にも、セブン&アイグループのオリジナル商品や限定グッズ、イベント体験などに交換できる。
ハッピーデーの割引やチャージキャンペーンなどで分かるように、イトーヨーカドーのお得な支払い方の中心はnanacoだ。nanacoは通常発行だと300円(税込み)の手数料がかかるが、無料で発行する方法もあるので紹介しよう。
まずは、nanaco搭載型のカードを発行する方法だ。セブンカード・プラスや、セブン銀行のデビット付きキャッシュカード(nanaco一体型)がある。特にセブンカード・プラスは、nanacoへのクレジットチャージで200円ごとに1nanacoポイントがたまるので、ポイントの二重取りが可能。オートチャージにも対応していて利便性が高い。年会費無料なので、セブン&アイグループをよく利用する人には使い勝手がいいクレカだ。
物理カードが不要なら、スマホからnanacoを無料で新規発行もできる。Androidスマホならnanacoモバイル for Android、iPhoneならApple Payのnanacoを利用する。
Androidのnanacoモバイルは、残高にチャージできるクレカが系列のセブンカード・プラスかセブンカードに限られる。一方、Apple Payのnanacoは他社クレカでもチャージが可能だ。対象ブランドはJCB、Mastercard、アメリカン・エキスプレス。nanacoチャージがポイント付与対象のクレカやプリペイドカードをApple Pay経由でチャージに利用することで、還元を上乗せできるのがお得だ。新規発行だけでなく、既にnanacoカードを持っている場合もApple Payに簡単に取り込める。
スマホ決済については、イオンはごく一部の店舗にPayPayが導入されているのみだが、イトーヨーカドーは各種スマホ決済に幅広く対応している。ハッピーデーなどのキャンペーンは適用されないが、スマホ決済側のキャンペーンが魅力的な場合は選択肢になる。最近では、5%還元のPayPayクーポンが3月27日まで配布されていた。
スーパーは日常的に利用するだけに、年間を通すと大きな購入額になる。一つ一つは小粒なテクニックでも、続けていれば大きな節約につながるはずだ。買い物のタイミングや支払い方を意識して、お得を享受してほしい。
(画像は各サービスのサイト、アプリから)