ドラッグストアでは、買い物の「お得ワザ」が実に多く存在する。しかし、ポイントカードの種類や支払い方、クーポンの活用法、イベントの日程などは店舗によって異なり、把握するのは一苦労だ。そこで今回は、ドラッグストアの主要7チェーンにおける、お得情報と応用テクニックをまとめて解説する。
ウエルシア
ウエルシアは大手では唯一、Tポイントをためられるドラッグストアだ(税別100円につき1ポイント)。そして毎月20日に実施される「お客様感謝デー」では、Tポイントを通常の1.5倍の価値(1ポイント=1.5円分)で買い物に利用できる。ポイント充当分が実質33%オフになるとあって、この通称「ウエル活」のために各種ポイントサイトの案件に取り組み、Tポイントに交換して毎月20日を待ち構えている人も多い。
またウエルシアでは、メーカーと組んだキャンペーンをよく実施している。例えば2021年7月は、P&Gの対象商品購入でTポイントを最大20%還元、「ファブリーズ」の購入でTマネーを最大40%還元、花王のメンズ化粧品の購入でTポイントとTマネーを計最大40%還元など、お得度の高いキャンペーンが目白押しだ。
そして、ウエルシアを“攻略”するうえで欠かせないのが「ガッチャ!モール」だ。ガッチャ!モールは、様々な小売り・外食チェーンのクーポンが抽選でもらえるサービス。ウエルシアの場合は、購入金額に応じて使用できるクーポンが当たる。値引きではなく、Tポイントが付与されるクーポンなのがうれしいところだ。得たTポイントは次回のウエル活の原資になるので、単純な値引きよりも実質的に得になる。
ウエルシア公式アプリでもクーポンが配布されており、やはり対象商品の購入でTポイントが付与される内容だ。ウエルシアではTポイントをいかにため、ウエル活で利用するかが重要になる。
またウエルシアは以前から、毎月最終金曜日から3日間「お得デー」というキャンペーンを実施していたが、最近は25日から29日までの5日間の開催となっている。この期間には公式アプリとLINE友だち登録者に1品10%オフクーポンが配布される。
ツルハドラッグ
ツルハドラッグでは、自社のツルハグループポイントと、共通ポイントの楽天ポイントをためられる。前者は税別100円または200円(商品ジャンルによる)につき1ポイント、後者は税別200円につき1ポイントで、1度の会計で両取りが可能だ。また、年間10万円(税別)以上購入すると、達成翌日からツルハグループポイントの付与率が2倍に、年間20万円(同)以上購入すると同じく3倍にアップする(どちらの場合も翌々年3月末まで)。
なお、ツルハグループポイントは21年5月に使いやすくリニューアルされた。以前は500ポイントたまると500円分の値引き券が発行される仕組みだったが、現在は1ポイント=1円分として支払いに充当できるようになった。
買い物のチャンスは、毎月1日・10日・20日の「ツルハお客様感謝デー」。ツルハポイントカードを提示すると5%引きになる(一部対象外商品あり)。また、ツルハドラッグも公式アプリでクーポンが配布されているので、ダウンロードしておいて損はないだろう。
マツモトキヨシ
マツモトキヨシも、1度の会計で自社のマツキヨポイントと共通ポイントのdポイントを両取りできるのがいい点だ。付与率はどちらも税別100円につき1ポイントと高水準で、合わせると2%還元になる。
マツキヨポイントには月間および年間(4月~翌年3月)の買い物合計金額に応じたステージ制度があり、月間1万円(税別)で翌月の、年間10万円(同)で翌年度のポイントが2倍になる。月間2万円(同)、年間20万円(同)の場合はそれぞれ翌月、翌年度のポイントが3倍になる。この買い物合計金額には家族会員の買い物分も合算される。上位ステージに到達しやすくなるので、家族会員はぜひ登録しておきたい。
そして、マツキヨでは公式アプリの活用が欠かせない。LINE友だちクーポンとして10%オフクーポンが不定期に配布されているが、一番得なのは公式アプリのルーレットクーポンだ。A賞は「医薬品15%オフ、化粧品・日用品10%オフ、食品5%オフ」。B賞は「医薬品・健康食品20%オフ」、C賞は「医薬品10%オフ、化粧品・日用品10%オフ、食品5%オフ」となっている。会員登録すれば1日2回までルーレットに挑戦できる。
筆者の感覚的には、2回やれば7割以上の確率でいずれかが当たる。LINE友だちクーポンは食品が対象外だが、こちらのA賞・C賞では食品も5%オフになるため重宝する。
支払いでは、dカードを使うのがお勧めだ。マツキヨがdカード特約店となっているため、常時3%の還元(dポイント付与)が受けられる。ポイントカード2種の提示と合わせると、常に5%近い還元が可能となるのだ。
他にも、一部店舗では「楽天チェック」アプリでチェックインするだけで楽天ポイントがもらえたり、事前にチケットをセットして対象商品を購入するとボーナスのdポイントがもらえる「ポイントボーナスチケット」が利用できたりと、マツキヨはお得要素が豊富で攻略しがいのあるドラッグストアと言える。
サンドラやココカラでは様々なアプリのクーポンを駆使
サンドラッグ
サンドラッグでは、自社のサンドラッグポイントと共通ポイントの楽天ポイントをためられる。前者は税別100円につき1ポイント、後者は税別200円につき1ポイントで、やはりどちらも提示することでポイントの両取りが可能だ。また店舗によって、自社ポイント3倍デー、5倍デーといったイベントも定期的に開催されている。
クーポンは公式アプリの他にも、ガッチャ!モールや「スマートニュース」「グノシー」「LINEクーポン」など幅広いアプリ・サービスでも配布されているので、公式アプリを使っていない人でも何かしらのクーポンは見つかりやすい。
ココカラファイン
ココカラファインでは、自社のココカラポイントか、共通ポイントのdポイントまたは楽天ポイントのいずれかをためるポイント選択制をとっている。付与率はココカラポイントが税別100円につき1ポイント、dポイントと楽天ポイントは税別200円につき1ポイントなので、ココカラポイントが優位だ。
また、ポイント付与数が増加する「ポイント倍デー」といったイベントは基本的にココカラポイントだけが対象なので、やはりココカラポイントカードの提示を優先したい。イベントの内容は店舗により異なるが、毎月0と5が付く日をポイント5倍デーとしているケースがよく見られる。
ココカラファインの公式アプリでは、お得度の高い様々なクーポンが頻繁に配布されるので有効活用したい。また、スマートニュース、グノシー、LINEクーポンなどにもクーポンがあるので、適宜チェックしておくといい。
スギ薬局
スギ薬局では、スギポイントという自社ポイントをためられる。税込み100円につき1ポイントが付与されるが、支払いには充当できない。用途は景品への交換のみとなっており、使い勝手はいまひとつだ。景品交換時のお得度がアップするキャンペーンが不定期で実施されているので、その期間が一つの狙い目になる。
クーポンは、公式アプリやレシート、チラシなど様々な媒体で、1品15%オフクーポンがよく配られている。25歳以下の人であれば、「スゴスギ割U25」の名称で毎週月曜日に1品15%オフクーポンが公式アプリに配信される。
また、毎月第2・第4火曜日には「スギともの日クーポン」が公式アプリに届く。最近は8%オフクーポンが配布されることが多い。これは1品だけに使える15%オフクーポンとは異なり、買い物金額全体に対して割引が適用されるため、まとめ買いのときに役立つ。15%オフクーポンと一緒に使うこともできるが、割引の重複適用はないので注意。どちらのクーポンにも割引除外品があるため、事前に確認しておきたい。
コスモス
コスモスは単純明快。一部店舗を除いて支払いは現金のみで、ポイントカードも存在しない。特売は行わず、「エブリデーロープライス」を掲げている。ほぼ唯一、公式アプリでクーポンが提供されているので、買い物の際は確認しておこう。
以上のように、ドラッグストアではチェーンごとに様々なお得ワザがある。すべての店舗で共通するのは、公式アプリの活用だ。クーポンの利用やポイントカードの提示の際にも便利なので、利用機会の多い店舗のアプリはぜひインストールしておきたい。テクニックを一通りマスターすれば、家計の改善にも大いに役立つだろう。
(画像は各企業・サービスのサイトやアプリから)

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