決済額の3%分のポイント還元があることで、“お得好き”から人気を得てきた「Visa LINE Payクレジットカード」。しかし、2021年5月からは還元率が2%にダウンする。今後は、別の支払い方も併用するのが得策だ。知っておきたい、カードの活用テクニックを紹介する。
※日経トレンディ2021年5月号の記事を再構成
日常の買い物や食事、各種サービスの利用などに当たり、「得な支払い方」を改めて考える機会が訪れている。決済額の3%分のポイント還元があることで“お得好き”に人気の「Visa LINE Payクレジットカード(LINEクレカ)」が、2021年4月30日で3%還元の当初キャンペーン期間を終えるからだ。5月1日以降は還元率が2%にダウンする(2%還元は22年4月30日までの1年間限定)。
スマホ決済や電子マネーが実施する高還元キャンペーンでは10%還元や20%還元もあるが、期間や対象店舗、還元額などが限定的。それ以外の支払いの機会では、「とりあえずLINEクレカを使っておけばOK」というのがこれまでだった。しかし今後は、別の支払い方も併用するのが得策だ。
LINEクレカは2%還元に下がったとはいえ、実質無料で持てるクレカとしてはまだトップの還元率。利用でたまるLINEポイントが、21年3月半ばからPayPayボーナス(PayPayの残高の一種)に交換できるようになり、使い勝手も良くなった。クレカを使いたい決済シーンでは、引き続き最有力候補になる。
これと併用したいのが、まず「セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード」だ。通常のクレカ払いでは0.5%還元(永久不滅ポイントを付与)だが、スマホのQUICPayで利用すると還元率が3%にアップする。QUICPayを使うには、iPhoneならApple Payに、Androidスマホ(おサイフケータイ対応機種)ならGoogle PayまたはセゾンQUICPayに同カードを登録すればいい。
セゾンパールには、一般的なプラスチックカードの他に、最短5分で発行できるデジタルカードもある。いずれも年会費は実質無料。QUICPayでの利用が主なら、デジタルカードで十分だ。
小売りや飲食の大手チェーンではQUICPay対応が進んでいる。使える店舗なら、LINEクレカよりこちらが優先となる。ただし、1回当たりの利用上限額は店舗により異なり、高額決済にはあまり向かない。特にAndroidスマホでは1回2万円までが基本となるので注意したい。
特定の店舗で還元率が大幅アップする最新クレカも
特定の店舗で、5%還元という強力な特典があるのは「三井住友カード(NL)」(年会費無料)。NLとはナンバーレスのことで、券面からカード情報の表記を無くした最新型のクレカだ。カード情報はスマホアプリを使って確認する。
5%還元の対象店はセブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート、マクドナルドの4つ。クレカの非接触決済である「Visaのタッチ決済」か「Mastercardコンタクトレス」(国際ブランドによる)で支払うと、Vポイントによる還元が適用される。
基本は0.5%還元だが、この4店については通常のクレカ払いで2%分が上乗せされ、2.5%還元になる。そしてタッチ決済の利用でさらに2.5%分が加算され、5%還元になる仕組みだ。ファミリーマートは21年4月7日からクレカの非接触決済に対応したことで、5%還元の対象店に加わった。還元率はセゾンパールのQUICPayを2%分上回る。これらの店舗を利用する機会が多い人なら、やはり持っておきたい1枚だ。
選んだ店舗で1.5%還元+ボーナスで最大1%上乗せ
「エポスゴールドカード」は、自分で選んだ3つの店舗・サービスで、エポスポイントによる還元率が通常の3倍の1.5%に上がる付帯サービス「選べるポイントアップショップ」が特徴。スーパーマーケットやドラッグストア、アパレルショップ、雑貨店、飲食店などの店舗や、商業施設、レジャー施設、インターネットのプロバイダー、公共料金、交通機関、旅行、宿泊、保険といった各種ジャンルで、様々な店舗・サービスが選べる対象となっている。
例えば、普段よく使うスーパーの「サミットストア」、服を買う「ユニクロ」、ガス・電気を契約している「東京ガス」の3つを選んで登録し、支払いにエポスゴールドカードを利用すれば、すべて1.5%還元になる。
さらに同カードにはボーナスポイント制度があり、年50万円以上の利用で2500円分(最大0.5%相当)、年100万円以上の利用で1万円分(最大1%相当)のポイントが得られる。
仮に1.5%還元の店舗・サービスだけで年50万円を利用すると、実質的な還元率は2%とLINEクレカ並みになる。同じく年100万円の利用なら、2.5%還元とLINEクレカより有利だ。そうした使い方ができるなら、これも有力候補になる。年会費は、年50万円以上の利用を1度達成すれば、次年度以降はずっと無料なので保有しやすい。

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