多様化するビールの味わい。従来のビール好きはもちろん、そうでない人もあの手この手で振り向かせようとする“超個性派”が増えている。「松江ビアへるん おろち」は日本酒の原材料を使い、飲めば清酒のような香りや味わいが楽しめる一品。「Mango Lassi Smoothie」は何と、マンゴーラッシーの味わいを念頭に造られたという1本だ。ビールの選択肢はますます広がっている。
※日経トレンディ2021年3月号の記事を再構成
華やかな香りや濃厚な味わいが魅力のHazy IPAの人気が広がっているのを筆頭に、「苦みがあって喉越しが良く、爽快に飲める」という日本人のビール観が変わり始めている。多様な味わいに慣れたビール党も、普段はあまり飲まないという人も、あの手この手で振り向かせようとする“超個性派”のビールが勢いを増す。
島根ビールの「松江ビアへるん おろち」は、日本酒の原材料である米こうじに、日本酒造りに使う清酒酵母も使用した、酒蔵コラボの限定クラフトビールだ。和の素材を用いるものは少なくないが、ここまで大胆に日本酒の原材料を使うのは珍しい。飲めば、清酒と同じような香りや味わいが感じられる。関西大学文学部教授で、国内外のクラフトビールに詳しいマーク・メリ氏は、「日本らしさの表現を目指すクラフトビールは多いが、成功していると思えるのは僅か。おろちは別格」と断言する。
人気のHazy IPAをベースに、さらにエッジを立たせたクラフトビールもますます増える。伊勢角屋麦酒「Mango Lassi Smoothie」はカレーにも合うマンゴーラッシーを念頭に造られた1本だ。栗を使い、まるでスイーツの味わいに仕上げたFar Yeast Brewingの「ファーイースト マロン ミルクシェイク IPA」のような意欲作もある。いずれも乳糖を使った甘い味わいのビールで、苦みを好まない人にまで広く人気を集めそうだ。
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