「ニッスイ」ブランドで知られる日本水産グループの日水製薬がAI(人工知能)を活用した斬新なサービスで注目を集めている。食品の衛生管理などに必要な細菌コロニー(群)の数の測定を、スマートフォンアプリで撮影するだけで可能にしたのだ。しかも測定システムの利用料は無料だという。その狙いとは――。
食品の品質検査や衛生管理に使われる「培地」(ばいち)と呼ばれる検査キットで培養した細菌や微生物のコロニー(群)の数を、AIで自動的にカウントする「@BactLAB」(アットバクトラボ)というサービスがひそかに注目を集めている。開発したのは「ニッスイ」ブランドで知られる日本水産グループの製薬会社、日水製薬だ。
日水製薬は、「菌数測定用簡易培地コンパクトドライ」という名称の培地を販売しており、その付加価値を高めるため、@BactLABを開発して2019年8月にリリースした。使用している画像認識技術は、日立ソリューションズと共同開発したものである。
これまで細菌などを目視で数えていた食品工場などのユーザーが、培地としてコンパクトドライを購入・利用すれば、@BactLABサービスを無償で利用でき、検査の手間が大幅に省ける。日水製薬はこのサービスにより培地市場でのシェア拡大を狙っている。
この記事は会員限定(無料)です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー