体のサイズを細かく採寸できるAI(人工知能)の採用が、ユニクロ、花王、エアウィーヴなどアパレル、ヘルスケア業界で相次いでいる。各社が採用したのは「Bodygram」という身体採寸技術だ。わずか2枚の写真を基に、ディープラーニングによって蓄積した12万人のデータを参照して体の各部位の寸法を高精度で推定できる。

Bodygramで使う画像は正面と側面の写真2枚のみ。スマホ画面に表示される枠線に合わせて撮影する(写真/Bodygram Japan)
Bodygramで使う画像は正面と側面の写真2枚のみ。スマホ画面に表示される枠線に合わせて撮影する(写真/Bodygram Japan)

 肩幅や手の長さ、首周り、腹囲、足の長さなど体の各部位のサイズを計測する方法としては、巻き尺を使って手作業で計測する方法が一般的だ。高価な3次元ボディースキャナーで計測する方法や、ZOZOが採用したような専用のボディースーツを使う方法もあるが、いずれも消費者には浸透していない。一方、身体採寸技術Bodygramは、スマートフォンを使って、2枚(正面と側面)の全身写真を撮影するだけという手軽さが特徴だ。

 開発したのはBodygramという米国のベンチャー企業。2019年1月に発足し、同年5月には日本法人Bodygram Japan(東京・港)を設立した。実は、この技術に着目したのが日本企業。最初に問い合わせがあったのが、ユニクロを展開するファーストリテイリングで、その後、日本企業から問い合わせが相次いだ。

 Bodygram創業者でCEO(最高経営責任者)のジン・コー(Jin Koh)氏は、「日本市場にニーズがありそうだと感じ、まずは日本をベースに事業を展開することにした」と経緯を語る。採用企業は、CROOZ SHOPLIST(東京・品川)、ファーストリテイリングといったアパレル系のほか、ヘルスケア商品を手掛ける花王、寝具メーカーのエアウィーヴなどだ。

Bodygramを採用した企業と施策の概要(2020年6月24日時点)。上記のほかにヘルスケア関連企業もBodygramを採用しているという
Bodygramを採用した企業と施策の概要(2020年6月24日時点)。上記のほかにヘルスケア関連企業もBodygramを採用しているという

ECやリアル店舗での非接触販売に有効

 アパレル系企業は自社のオンラインショップにBodygramを採用している。4種類の情報(身長・体重・性別・年齢)とスマホで撮影した2枚の全身写真を基にしてボディーラインを自動で検出し、各部位の寸法を推定する。ユーザーは、採寸した数値を参考にして商品のサイズを選択して購入する。一方で各社はユーザーごとに最適なサイズをレコメンドするサービスを提供。新たな買い物体験を提供している。